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家庭にある小麦粉やホットケーキミックス、お好み焼き粉といった「粉もの」を適切に保存していないと「パンケーキ症候群」を引き起こすかもしれない。福井県済生会病院の白崎浩樹内科部長によると、パンケーキやお好み焼きなどを食べた後にアレルギー症状が出ることをいう。食物アレルギーではなく、使われた粉ものの中で繁殖したダニが原因。梅雨など気温や湿度が高い時期はダニが繁殖しやすいため、粉ものの管理に気を付けたい。
パンケーキ症候群は、医学的には「経口ダニアナフィラキシー」と呼ばれる。欧米ではパンケーキで発症する例が多いためこの名が付いた。
粉ものを開封後、袋のすき間から、日本の家庭で一般的に生息するコナヒョウヒダニが入り込み、そのまま常温で数カ月間放置すると大量に繁殖するという。ダニアレルギーの人が、ダニが大量に入った粉ものを使って調理したものを食べるとアレルギー症状を引き起こす。少量のダニを経口摂取するだけでは基本的には発症しない。ダニの体や死がい、ふんは、気管支ぜんそくや通年性のアレルギー性鼻炎といったアレルギー疾患の主な原因物質。ダニアレルギーは気管支ぜんそくや通年性のアレルギー性鼻炎の人に多い。加熱してダニが死滅したとしても原因物質は残るため発症を防ぐことはできない。ダニアレルギーがなければ発症しない。
症状は重いアレルギー反応のアナフィラキシーと同じ。じんましんや浮腫、呼吸時にゼーゼーと音がする(喘鳴=ぜんめい)、呼吸困難など。重症だと血圧が下がってショック状態になる。腹痛や嘔吐(おうと)のある人もいる。原因物質を経口摂取してから30分以内で発症することが多い。
治療は、アドレナリンを筋肉注射し、血管を収縮させて血圧を上げたり、気管支を広げたりする。症状が軽い場合は、抗ヒスタミン薬やステロイドを使う。
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開封後1カ月以内ではパンケーキ症候群を引き起こしたという報告はないという。そのため、予防法は開封したらなるべく一度で使い切ることだ。使い切れない時は、温度と湿度の低い冷蔵庫で保管しできるだけ早く使い切るようにする。白崎医師は「ダニが繁殖しないようにすることが大事」と呼びかけていた。
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