庭園にキッチンカーや屋台集結 更上閣「ガーデンレストラン」本格実施/八戸

更上閣の「にぎわい広場」で始まったガーデンレストラン=5日、八戸市

 八戸市本徒士町の国登録有形文化財「更上閣」敷地内にある「にぎわい広場」で5日、キッチンカーや屋台が集まるガーデンレストランが始まった。同広場の日常的な利用促進に向け、市は昨年度まで3回実証試験を行っており、好評だったことから本年度から本格実施とした。8日まで毎日午前11時~午後3時、6~9店が出店。また、最終日は夕方から、同広場と市美術館前の「マエニワ」で、音楽ライブと飲食を楽しむ「ヨルニワ」も開く。

 更上閣は明治30年ごろから大正時代にかけて建築、改築された近代和風の邸宅。2018年に整備した芝生の同広場は知名度が低く、利活用が課題だった。

 市は活用の可能性を探るため、22年度からガーデンレストランを試験的に開催。22年10月は9日間で延べ約1050人が来場。23年度はいずれも4日間で、6月は約870人、10月は約770人が訪れ、一定の利用があった。来場者アンケートでは定期的な開催を望む声が多く、本格実施に移行した。本年度は10月にも開く。

 初日はピザやカレー、たこ焼きなどの9店が並んだ。来場者は同広場や更上閣の日本庭園に設置されたテーブル席で、のんびりとランチを楽しんでいた。

 市文化創造推進課の担当者は「市が直営でやってきたが、定期開催となれば、今後は更上閣の指定管理者など、実施主体の検討が必要だ」と話していた。

 来場した市民ガイド八戸協会の瀬川征吉会長(79)は「更上閣は南部会館と並び、中心街の歴史と文化を伝える場所。この場所を広く知ってもらうことは大切だ」と歓迎。職場が同広場に隣接している自営業工藤登茂子さん(80)は「広場の活用が進むのは良いこと。外での食事は楽しく、毎日来ます」と喜んでいた。

 ヨルニワは、同広場が午後5~7時、マエニワが午後6時~7時半。音楽ライブとキッチンカーなどの出店があり、市は中心街の回遊性向上につなげる考え。【全文】

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