「少しずつ甦ってきた。この感じだよな」 日本の大黒柱・石川祐希がフルセット激闘で得た「これが試合」【ネーションズリーグ】

ドイツと対戦した男子バレー日本代表の石川祐希【写真:VNL提供】

買取大吉 バレーボールネーションズリーグ2024福岡大会

バレーボールネーションズリーグ(VNL)2024福岡大会(西日本総合展示場)は5日、世界ランク4位の男子日本代表が同12位ドイツ代表と対戦。3-2(25-22、22-25、25-27、25-23、15-8)とフルセットの激闘を制して2連勝とした。これで大会通算5勝1敗。チーム最多タイの21得点をマークした主将・石川祐希は体力的に厳しい一戦を終え「少しずつ甦ってきたというか。『この感じだよな』と思った」と試合勘について話した。

フルセットにもつれる熱戦。最後は大黒柱が勝利を手繰り寄せた。第5セット、石川がライトからスパイクを決めて10-7とすると、ここから自身のサーブで連続ポイントに繋げる。ドイツが確認で3分近く時間を使い、サーブまで間が開いたが関係ない。12-7の場面では時速124キロの強烈なサービスエースを決めた。

「いつもとタイミングが変わることを狙ってタイムアウトを取ってくる監督もいる。間が開いてるから、もう一度集中してというイメージだった」

4月下旬までイタリア1部・セリエAでプレーオフを戦い、5月のVNLブラジル大会には参戦せず。高橋藍とともにこの福岡大会から合流した。試合勘はまだ完全に戻っているわけではなく、フルセットを戦ったことで「後半ちょっと疲れてしまった」と振り返る。一方で「少しずつ甦ってきたというか。『この感じだよな』と思った」と、厳しい試合を通じて思い出したものもある。

「(フルセットは)疲労感が溜まってくるので、後半少しプレーが雑になったり、『あ、ジャンプしてないな』と感じたところもあった。良い経験というか、これが試合だと感じられた」

試合前のメンバー発表時、最も大きな歓声が上がるのが石川の名前がコールされた時。この日、取材を終えて大勢の観客が待つ「ファンゾーン」の前を通過すると、悲鳴に近い声が響き渡った。人気、実力ともに屈指の主将だが、慢心はない。

ドイツは昨年の五輪予選で強豪イタリア、ブラジルなどを破っており、パリ五輪本戦でも激突する可能性がある難敵だった。「本来であれば負けの内容。そこはシビアに考えていかないといけない」。7日に世界ランク1位のポーランド、8日に同5位のスロベニアと対戦。1972年ミュンヘン五輪以来、52年ぶりのメダル獲得へ貴重な実戦機会を無駄にはしない。

THE ANSWER編集部

© 株式会社Creative2