金融分野のAI利用に重大リスク、米財務長官が6日講演で警告へ

David Lawder

[ワシントン 5日 ロイター] - イエレン米財務長官は6日の講演で、金融における人工知能(AI)の利用について、取引コストを下げる可能性があるが、「重大なリスク」を伴うと警告する。講演の抜粋が公開された。

金融安定監督評議会(FSOC)とブルッキングス研究所が主催するAIに関する会合で、AI関連のリスクは同評議会のアジェンダの最上位に移っていると指摘。

「脆弱性は、AIモデルの複雑さと不透明さ、AIリスクに対処するリスク管理フレームワークが不十分であること、多くの市場参加者が同じデータやモデルに依存することによる相互関連性から生じる可能性がある」と述べる。

また、AIモデルを開発し、データやクラウドサービスを提供するベンダーが一部に集中することで、サードパーティーサービスプロバイダーのリスクを増幅させかねないとも指摘する。

一方、AIの利点にも言及。「自然言語処理、画像認識、生成AIの進歩は、金融サービスをより低コストで利用しやすくする新たな機会を生み出す」と話す。

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