出生数ピーク時の6分の1以下に…子育て費用の負担感・未婚・晩婚重なる要因 鹿児島県初の1万人割れ 23年統計

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 厚生労働省が5日発表した2023年の人口動態統計(概数)で、鹿児島県の出生数は9867人となり、初めて1万人を割った。毎年の記録が残る1947(昭和22)年以降で最少。最も多かった第1次ベビーブーム中(49年)の6万4016人から6分の1以下となった。

 出生数は53年に5万人を切り、59年に4万人、65年に3万人をそれぞれ割った。その後、88年まで2万人台を維持したが、翌年に1万9671人となり、2012年以降は減少が続く。

 県は本年度、子ども・子育て支援を強化するため、子ども政策局を新設した。同局子ども政策課の益山純徳課長は1万人を割ったことについて、「子育て費用の負担感、未婚・晩婚化などの多様な要因が絡んでいる」と分析。「本年度予算の柱とした子ども・子育て支援パッケージで、結婚、妊娠・出産、子育てしやすい鹿児島を目指したい」と話した。

 女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率は前年比0.06ポイント減の1.48。2004年に次いで低かった。近年は上がったり下がったりを繰り返しており、上向く兆しは見えていない。

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