米半導体エヌビディア、時価総額でアップル抜き世界2位に AI投資で躍進

米半導体大手エヌビディアは5日、時価総額が3兆ドル(約470兆円)を超えた。米アップルを抜き、米マイクロソフト(MS)に次ぐ世界2位の上場企業となった。

エヌビディアの時価総額はこの日、5%以上増加。昨年から始まった急成長をさらに伸ばした。人工知能(AI)への相次ぐ投資が成功するだろうという市場予測に、後押しされた。

1位のMSも、生成AI「チャットGPT」を運営するオープンAIへの投資で、この業界の主要プレイヤーとなっている。

エヌビディアは今年2月の時点では、時価総額は「わずか」20億ドルと評価されていたものの、5月にいわゆる株式分割の計画を発表。買い需要が高まった。

株式分割は、株式数を10倍に増やし、それに伴って株式価値を下げるもので、少額投資家により手の届きやすい株式にする目的がある。

分割は7日にも実施される予定で、同社株の需要がさらに高まるとみられている。

1993年創業のエヌビディアは元々、コンピューターゲームのグラフィックを制御する半導体(チップ)メーカーとして知られていた。

また、AI革命のはるか以前から、機械学習に役立つとする機能をチップに追加し始めた。こうした動きが、市場シェアの拡大に貢献してきた。

同社は現在、AI技術がビジネス界にどれだけ素早く浸透しているかを見極める指標となる、重要企業として注目されている。ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、AIをめぐる動きを「次の産業革命」の幕開けだと宣言している。

エヌビディアは目覚ましい成長を見せており、4月28日までの3カ月期の売り上げは260億ドルと、前年同期比で3倍以上、前期比でも18%増となった。

AIへの楽観が昨年から、市場全般で株価を押し上げてきた。米株式市場では5日、S&P総合500種とナスダック総合がそれぞれ、過去最高値を付けた。

アップルは今年初め、売上高が伸び悩み、負けが込んでいるように見えた。

しかし、アップルがAIをどのように自社戦略に取り入れるのか期待が高まっており、ここ数週間は株価が上昇している。

同社の株価は0.7%上昇し、時価総額は約3兆ドルに達した。時価総額は一般的に、企業の株式数に現在の株価をかけて算出される。

(英語記事 Nvidia value surges past $3tn and overtakes Apple

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