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小学校では楽しく感じていた英語が、中学校では苦手に―。そんな生徒が少なくない。背景には、近年の中学英語の難易度アップや小中の学び方の違いなど、英語における「中1ギャップ」がある。保護者の皆さん、中学英語の大きな変化を知っていますか。
■英単語数、中学校で1200語が小学校600~700語・中学校1600~1800語に
「中学で英語が嫌いになった」。広島市立中2年の女子生徒(13)はしょげた様子で打ち明ける。「小学校の授業は遊びながら勉強する感じだった。中学は覚えることが多過ぎて…」。1年生の後期期末テストは20点台。同級生にも英語嫌いは多く、学年の平均点も40点台だったという。
中学英語は2021年度、今の学習指導要領になってレベルが上がった。扱う単語の数は、以前は中学で1200語だった。今は小学校で600~700語、さらに中学でも1600~1800語に増えた。文法は現在完了進行形などが高校から中学に下りてきた。「話す力」を伸ばすことも求められている。
そんな今の中1が臨むテストの内容は…。ある広島市立中が昨年6月に前期中間テストで出した問題を見せてもらった。「How many sisters do you have?」といった質問に対して自分自身のことを英文で書かせるなど、中学で英語を学び始めた世代にすれば高度な問題が並ぶ。
■塾講師の75%が中1の定期テストが「難しくなった」と回答
難易度アップは全国的な流れのようだ。教育機関の支援事業を手がけるエデュケーショナルネットワーク(東京)が22年度、全国の塾講師に尋ねた調査では、440人中75・2%が中1の定期テストが「難しくなった」と回答。要因として単語や文を書く問題が増えたとみる意見が多かった。
毎日個別塾5―Days(広島市南区)で広島市北西部エリアのマネージャーを務める坂本慎弥さん(35)は、学習内容のボリュームアップに加え、小学校と中学校の学び方の違いにも課題を感じている。「小学校の授業は会話によるコミュニケーションが軸。それなのに読み書きも習ってきたように中学で授業が進んで戸惑ったり、テストで点を取りこぼしたりしてしまっている」と語る。
坂本さんは保護者に「まずは今の英語の難しさを知ってほしい」と訴える。親に叱られ、子どもが自信をなくすケースもあるからだ。「中1のつまずきなら立ち直れる。子どもが諦めてしまうのを避けなければいけない」と強調する。
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