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福井県内でツキノワグマの出没が急増している。県のまとめによると、4、5月の出没件数は計143件で昨年同期の2倍超に上り、2004年の統計開始以降最多となった。専門家は、過疎化の進行などによる分布域の拡大に加え、餌となるドングリの不作の影響を指摘。6、7月は繁殖や親離れでクマの活動域が広がる時期に当たり、県は市町連絡会を急きょ開くなど注意を促している。
福井県自然環境課によると、県内の出没件数は3月に2件(前年同月比3件減)だったが、4月は27件(16件増)、5月は116件(66件増)と、ともに月別の過去最多を更新した。4、5月の合計は、これまで最多だった2021年の87件を大幅に上回った。
5月31日に大野市山中で養蜂箱が荒らされているのが見つかり、6月4日には越前市の万葉の里味真野苑で幼獣1頭が目撃され休業するなど影響も出ている。
⇒【写真】山中でクマが荒らした養蜂箱
県は、異例の出没状況を受け例年4、9月に開いている市町連絡会を6月11、18日にも開催。捕獲研修に加え、人身被害対策を再度確認する。県や市町はホームページで対策などを周知しており、山に入る際のクマ鈴着用をはじめ、クマを誘引する生ごみやハチの巣などの撤去、やぶの刈り払いなどを呼びかけている。