AIエンジニアの安野貴博氏が都知事選出馬 オードリー・タン氏も熱視線

都知事選に立候補を表明したAIエンジニアの安野貴博氏

AIエンジニアでSF作家の安野貴博氏(33)が6日、都庁で記者会見を行い、都知事選(20日告示、7月7日投開票)に無所属で立候補すると表明した。

安野氏は東大工学部卒で、外資系会社を経て、AIスタートアップ企業を創業。AIに関してのコメンテーターとして、テレビ各局で数多く出演しているほか、内閣府が昨年実施した「AIに関する次世代リーダーとの車座対話」に出席し、岸田文雄首相に意見していた。

安野氏は「人間を超える知性が生まれようとしていて、民主主義社会にプラスにもマイナスにも働く。権力が集中し、監視が強化され、フェイクニュースがまん延し、分断を生む可能性がある。良い方向に技術を使えるかどうかの岐路に立たされている」と政局ではなく、未来のビジョンを議論し、新たなテクノロジーを推進していくために立候補を決断したと話した。

選挙中は安野氏のマニフェストや政治思想をAIで学習させたアバターがユーチューブ上に登場し、24時間対話可能となるタウンミーティングを行える仕組みを作った。

また立候補に当たって、台湾のオードリー・タン元デジタル相にコンタクトを取り、「安野さんは抗議活動をしているのではない。私はそこが好きです。あなたは『私たちは良い方向に変われる』と言っているのだ」とのメッセージをもらったという。

安野氏は「タン氏が行政の世界に転身したのは私と同じ33歳で、このような言葉を寄せていただけたことを大変うれしく思います。東京は世界をリードする都市になれる素晴らしいポテンシャルがある。もっと良い方向に変われる」と訴えた。

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