県警本部長「隠蔽」を否定せず 鹿児島、前生活安全部長が指摘

報道陣の取材に、険しい表情を見せる鹿児島県警の野川明輝本部長=6日午後、県警本部

 職務で知った秘密を退職後に漏らしたとして国家公務員法違反(守秘義務)容疑で逮捕された前鹿児島県警生活安全部長本田尚志容疑者(60)に「県警職員の犯罪行為を隠蔽しようとした」と指摘された県警トップの野川明輝本部長は6日、県警本部で取材に応じ「事件捜査の中で必要な確認を行う」と述べ、「隠蔽」について否定も肯定もしなかった。

 野川本部長は本田容疑者の逮捕について「大変重く受け止めている。全容解明を図るとともに、より抜本的で網羅的な対策を進める」と話した。

 警察庁長官の定例記者会見も開かれ、露木康浩長官が本田容疑者について「模範となるべき立場にあった者が逮捕されたことは極めて遺憾」と発言。また、漏えいしたとされる情報は、ストーカー規制法違反事件の被害女性の氏名と県警の他の部長の氏名や住所、電話番号などだったと明らかにした。

 露木長官は本田容疑者が「野川本部長の隠蔽が許せなかった」と動機を説明していることについては「(県警の)捜査の中で必要な確認が行われていくものと考えている」と述べるにとどめた。

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