情報漏えいで逮捕、送検 前鹿児島県警生活安全部長の勾留取り消し認めず 鹿児島簡裁 弁護側は準抗告

 職務上知り得た秘密を退職後に漏らしたとして、逮捕、送検された前鹿児島県警生活安全部長で、元警視正の無職男(60)=鹿児島市紫原5丁目=について、鹿児島簡裁(山之口忠裁判官)は6日までに勾留の取り消し請求を却下した。5日付。弁護人が明らかにした。弁護側は6日、これを不服として鹿児島地裁に準抗告した。

 弁護人の永里桂太郎弁護士によると、簡裁は「検察官の意見を聞いた上、なお勾留を継続する理由および必要があると認めた」として却下した。検察側は取材に対し「捜査内容に関わるため、簡裁に意見した内容については回答を差し控える」としている。

 事件を巡っては、5日に簡裁であった勾留理由開示手続きで、山之口裁判官が「罪証隠滅と逃亡の恐れがあるため」と勾留理由を説明。容疑者は「野川明輝本部長が県警職員の犯罪行為を隠蔽(いんぺい)しようとしたことが許せなかった」などと意見陳述した。弁護側は同日、勾留の取り消しを請求していた。

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