『アンチヒーロー』最終幕へのポイントは? プロデューサー・監督たちが見どころを語る

長谷川博己主演のTBS日曜劇場『アンチヒーロー』の終盤に向けて、スタッフから見どころコメントが寄せられた。

本作は、殺人犯をも無罪にしてしまう“アンチ”な弁護士を通して、「正義の反対は、本当に悪なのか?」を問いかける逆転パラドックスエンターテインメント。

長谷川は弁護士・明墨を演じ、明墨の法律事務所で働く同僚弁護士役で北村匠海と堀田真由、パラリーガル役で大島優子、東京地方検察庁の検察官役に木村佳乃、検事正役で野村萬斎が出演。ほかにも若手からベテランまで総勢40名の俳優陣が出演している。

6月2日放送の第8話では、12年前に起きた「糸井一家殺人事件」で、志水(緒形直人)の冤罪を晴らすための唯一の証拠動画が伊達原検事正(野村萬斎)によって消され、行く手を阻まれた明墨の姿が描かれた。

6月9日放送の第9話について、飯田和孝プロデューサーは「第8話で志水の無罪につながる証拠が完全に消されてしまった明墨たちですが、可能性を信じて行動します。桃瀬礼子(吹石一恵)が冤罪の可能性に気付いた6年前を紐解いていく中で、桃瀬という検事の全容、明墨との関係が明かされていきます。逆転の鍵は、6年越しの桃瀬との『約束』、受け継がれた『意思』、そしてそこに集まった仲間の『絆』、全てを集めて伊達原に挑みます。結末に向けて、残り2話、まだまだ隠された謎、裏切り、どんでん返しが待っていますので、是非ご期待ください。よーくご覧ください、そうすると、最終回の大逆転の鍵に気づいていただけると思います。そしてmiletさんの主題歌『hanataba』も、特別アレンジバージョンが第9話ではかかりますので、そちらにもご注目を!」とコメント。

チーフ演出を務める田中健太監督は、「検察官は100件に1回間違えただけで袋叩きにあってしまいます。作中で悪役として描かれている検察側ですが、検察官とは本当に酷な仕事です。伊達原にとって司法制度が揺るがないようにすることは、検事正としての守るべき正義の1つでもあるんですよね。もしかしたら(世の中の)冤罪事件とされているものの背景には似たようなことが起こっていたのかもしれない。そんなことが想像できるようになっていると思います」と伊達原のキャラクター像について語った。

宮崎陽平監督は、「第8話の伊達原泰輔がびっくりするほどに悪役だったので、視聴者の皆さんとしてはどう感情移入していいかわからないかもしれませんが、伊達原の人間的な部分もこれから描かれていきます。1人の検察官の必死さの裏返しとして観てもらえたら。第9話では、志水が明墨に尋問される前はどんな人物だったかを含め、より糸井一殺人事件が詳細に描かれます。どういう経緯で明墨、桃瀬、伊達原が絡んでいくのかに注目していただきたいです」と第9話の注目ポイントを述べた。

嶋田広野監督は、「第4話で登場した桃瀬礼子が再び第9話で登場するので、そこにも注目してほしい。最初に登場してから時間が経っていますが、彼女の存在を意識できるように細かい仕掛けをしているので。それに、伊達原や桃瀬だけではなくて、今までスポットが当たっていなかったキャラクターにも動きがあるかも……」と終盤に向けてさらなる展開を予感させた。

(文=リアルサウンド編集部)

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