ディディ、自身の音楽専門ケーブルTV局を売却

ディディことショーン・コムズは自身が立ち上げた音楽専門ケーブルTV局「REVOLT」を売却した。2016年の元恋人キャシー(本名カサンドラ・ベンチュラ)への暴力動画など、相次ぐ虐待疑惑の渦中にいるディディだが、本人が持っていた同局の株が償還され、消却される運びとなった。

同局の声明にはこう綴られている。「弊社がクリエイターを鼓舞するエンターテインメント新時代を開拓し、新たなメディアモデルを確立し続けていく中、今回の変革は弊社の成長を促す社員らが、その成功から恩恵を受ける機会を約束するものです」「この数カ月間で資本参加の配分が実施される予定です。スムーズかつ公平な分配に真剣に取り組んでいます」「REVOLTの使命である、ブラックカルチャーの物語の世界規模の変革を心に留めつつ、業界の新たなスタンダートを決める今回の前例のなき一歩は現在、そして将来の社員へ株式参加の機会を提供することになります。彼らの多くはそのような機会をはく奪されてきた歴史があります」

そして同声明は、「弊社の前会長、ショーン・コムズが所有していた株は、全額償還され、消却されました」と続いている。

一方同局はディディの暴行を捉えたCCTVの映像に関してインスタグラムにこう発表していた。「我々の前会長、ショーン・コムズの動画の拡散に関して、深い悲しみと困惑を感じています」「彼が最近REVOLTから離脱したものの、この問題を取り上げるのは我々の義務であり、我々のスタッフ、視聴者の方々、我々が代表する文化に直接の影響があることです」

ディディが2013年に設立した同局のこの声明は、「虐待の被害に遭った方々と連帯し立ち上がり、我々の文化が我々に求める価値観と誠実さを守り続ける所存です」「いかなる家庭内虐待にも我々は断固反対し、真実と説明責任に関して勇敢に声を上げていきます」と続き、最後に、全米ドメスティック・バイオレンス・ホットラインの連絡先をシェアしている。

ディディは10年間交際していたキャシーからレイプと身体的虐待を受けたとして訴訟を起こされた後、昨年11月に同局の会長を辞任、最近になってホテルでキャシーに暴力をふるう動画が公開されていた。

同訴訟に関してディディとキャシーは非公開の和解をしている。今回の映像公開を受けて、ロサンゼルス郡検察局は、暴行罪を起訴できる期限を過ぎていることからディディを「起訴できない」と発表していた。

一方でディディ本人はインスタグラムに投稿した動画の中で、当時「どん底」にあった自身による暴行は「許し難いもの」とした上で、「心から申し訳なく思っている」と謝罪、事件後セラピーを受け、リハビリ施設に入るなど治療にあたったことを明かしていた。

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