タンク村上「限界超える」 ウエイト・五輪代表会見 夢舞台「新記録を」

パリ五輪に向けて気合を入れる村上選手(右)。奥は宮本選手=東京・味の素ナショナルトレーニングセンター

  ●憧れは力道山

 パリ五輪ウエイトリフティング男子102キロ超級日本代表の村上英士朗選手(28)=いちご、富山市出身=が6日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで記者会見した。最重量級で世界一の力持ちを目指す村上選手は「自分の限界を超えて、新たな記録を樹立できるように精いっぱい頑張りたい」と初めて挑む夢舞台での奮闘を誓った。

 「タンク村上こと村上英士朗です」。第一声で自ら付けたニックネームを紹介し、会場の雰囲気を和ませた。タンク(戦車)のように頑強な肉体を持つのが由来で「力を生かす。プロレスラーになった気分で声を出して盛り上げ、思い切って自分の試合をしたい」と憧れの力道山を思い浮かべながら意欲を語った。

 富山市興南中1年で競技を始め、自他共に認める「ウエイトリフティングオタク」である。滑川高時代は通学中に北京五輪の動画を繰り返し見て、今も「筋肉が好きで、筋肥大するためにはどうしたらいいかを日々考えるのが人生の楽しみ」と笑う。

 村上選手にとって、ウエイトリフティングは「私の人生の一部で全てを懸ける価値のあるスポーツ」だ。モチベーションを「ウエイトリフティングへの愛」と言ってはばからず、「美しさと力強さを世界中の人々に伝えたい」と自身が戦う意義を見いだしている。

 合宿では2大会連続の代表でメダル獲得が期待される男子73キロ級の宮本昌典選手(27)=東京国際大職=と練習を積み、「刺激をもらう。僕はフォームがあまりきれいじゃないので、宮本コーチに教えてもらい改善している」と楽しげに調整ぶりを語った。

 自己ベストはスナッチ192キロで、ジャーク235キロとトータル425キロはそれぞれ日本記録となる。「ここまで大きくなれたのは富山のおいしいご飯のおかげ。立山連峰の力をいただいて、日本新記録を取りたい」とふるさとへの感謝をあふれさせた。

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