宅地建物取引士の<住宅の専門家>が監修
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国土交通省では、我が国における居住環境を含めた住生活全般に関する実態や居住者の意向・満足度等を5年ごとに調査し、住まいに対する満足度や今後の住まい方の意向などの最新情報を明らかにしています。
調査の結果が公表されている2018年の住生活総合調査結果によると、持ち家の住宅に対する不満率は総じて減少傾向にあり、これまでの調査で最も不満率が高かった1988年の45.0%から2018年には18.8%と大きく減少しています。
しかし年収の何倍もの高額な費用をかけて取得することが多い住宅にあっては、約2割が不満をもって生活しているという事実は、決して満足できる結果であるとはいえないでしょう。
注文住宅を建ててから後悔しないためには、過去に注文住宅を建てた方の体験談が非常に参考になります。
そこで本記事では、奈良県で「4200万円の注文住宅」を建てた夫婦の実際の体験談を紹介しますので、是非参考にしてください。
この事例は次のような方の実際の体験談となります。
【居住地】奈良県
【購入金額】4200万円
【現在の年齢】40歳代
【購入時の年齢】40歳代
住宅の専門家である筆者からのアドバイスも交えて紹介しているので、参考にしてみてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
注文住宅での後悔ポイント1:吹き抜けの掃除が大変
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「明るい玄関にしたいと思って吹き抜けを作ってもらったが、掃除が大変で後悔しています」
玄関やリビングに窓がある吹き抜けを設けると明るく開放的な空間を演出することができるので、注文住宅を建てる際には吹き抜けに憧れる人が多いと思います。
しかし吹き抜けがあると掃除が大変になるばかりでなく1階の音や臭いが2階に伝わりやすいというデメリットも。
さらに玄関ドアを開け閉めするたびに外気が室内に侵入するので、冷暖房の効率が悪くなってしまうのも難点です。
吹き抜けを設置するメリットとデメリットを事前によく検討して、採用するかどうかを決めることが大切です。
注文住宅での後悔ポイント2:ウッドデッキを使いこなせない
「庭の広さとのバランスを考えて少し小さめのウッドデッキにしが、中途半端な大きさでうまく活用できません」
ウッドデッキには洗濯物を干すスペースや子供の遊び場、ガーデニング、家族や友人を集めてホームパーティーを開くなど、さまざまな用途があります。
せっかくウッドデッキを作っても小さすぎると使い勝手が悪くなってしまって目的を果たすことができなくなり、最終的には使わなくなってしまいがちです。
ウッドデッキ設置する際には事前にどんな使い方をしたいのかをよく考えた上で、必要最低限の寸法を確保することが大切です。
注文住宅での後悔ポイント3:床下収納を設置すればよかった
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「キッチンにパントリーを作ったので床下収納を設置しなかったが、作っておけばよかったです」
床下収納の最大のメリットは、居住スペースを削ることなく床下の空間を利用して収納スペースを増やせることです。
立ったまま物を出し入れすることができないなどのデメリットがありますが、年に数回しか使わない調理器具やまとめ買いしている日用品、防災グッズ、非常食などの収納場所として非常に重宝します。
また水漏れやシロアリ被害といった床下の状況を確認するための点検口としての役割を果たすこともできます。
注文住宅での後悔ポイント4:窓が少なくて圧迫感がある
「防犯上の理由から窓の数を少なめにしましたが、圧迫感が気になります。もっと開放的な雰囲気にするために窓を増やせばよかったです」
窓が少ないとプライバシーの確保ができて防犯上有利になるとともに、省エネ性や耐震性の向上にも繋がってシンプルでお洒落な外観になります。
一方で室内が暗くなりやすく、風通しも悪くなってしまいがちです。
昨今では在宅勤務の普及もあり、自宅にいる時間が長くなってきました。
こういったときに窓が少ないと圧迫感を感じることもあるので、採光や通風に配慮した設計が不可欠となります。
窓が少ないことによるデメリットも事前によく検討しながらプランを作成することが大切です。
注文住宅での後悔ポイント5:床の間は使わない
「和室に床の間を作ったのですが意外と掃除が手間。収納にすればよかったです」
床の間は、本来は掛け軸や生け花、置物などを飾る「装飾」を目的とした空間のことで、床の間のある和室は家の中で最も格式が高くて神聖な部屋とされてきました。
しかし近年では床の間を作ってもデッドスペースになっていることが多く、掃除するにも手間がかかるので、はじめから床の間を作らずに収納スペースにする方が増えています。
次章からは、「注文住宅でここに満足している」という満足ポイントについて紹介していきます。
注文住宅を建てた方のリアルな体験談ですので、これから注文住宅を検討している方にはきっと参考になるはずです。
注文住宅での満足ポイント1:アイランドキッチンは広々使えて快適
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「アイランドキッチンは大勢が集まる時にもストレスなく使用できるので作ってよかったです」
アイランドキッチンは左右両方からキッチンに出入りすることができ、作業台の四方から調理や配膳が可能なので、複数人で作業する際にも窮屈な思いをすることがないのがメリットです。
一方、リビング側からもキッチンが丸見えになり、調理によるにおいや煙、水はね、油はねなどが周囲に広がりやすいことがデメリットになります。
注文住宅での満足ポイント2:床暖房を増やしたが意外とコストがかからなかった
「床暖房の設置位置を本来の場所以外にも増やしてもらいましたが、金銭的にも大きく変わらないのでよかったです」
同じ床暖房の中でもガス温水式床暖房は、複数の部屋に床暖房を設置しても一つの熱源機で暖めることができるため、広い範囲に床暖房を設置する際にはコストの面でおすすめの方法といえます。
注文住宅での満足ポイント3:扉を増やして動線を確保した
「動線を確保するために、本来ならあまり設置しない場所に扉を増やしてもらいました。結果的に快適でよかったです」
家の中に行き止まりがなく室内をスムーズに移動できる「回遊動線」を意識する
と、部屋の出入り口が2か所必要になることがあります。
間取りに回遊動線を取り入れることで室内が開放的になり、家事の負担が減って移動のストレス軽減にも繋がります。
注文住宅での満足ポイント4:断熱性の高いサッシを選んだ
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「寒い時期の隙間風やクーラーの効きを良くしたいと思い、断熱効果の高いサッシやガラスを選んだ点に満足しています」
屋内の熱の多くは開口部(窓やドア)から屋外に逃げるといわれています。
そのため隙間風を避けて窓からの熱損失を防ぐためには開口部の断熱性を高めることが重要で、断熱サッシや断熱ガラスの採用が効果的です。
注文住宅での満足ポイント5:ガレージと自転車置き場を大きくした
「広めのガレージと自転車置き場が使いやすくて気に入っています」
近年は敷地外に駐車場を確保するのが年々難しくなっているので、車を所有している家では敷地内に駐車場が欠かせません。
また、敷地内に駐車場があることで車での来客にも対応することができ、利便性ばかりでなく防犯性が高まることも期待できます。
まとめ
理想の住まいの実現に向けてさまざまな雑誌や本を読んだり、数多くの住宅会社のモデルハウスを見学したりしている方も多いと思います。
平松建築株式会社の「家の建てどきに関する調査」によると、賃貸住宅居住者の約6割の人が「家を建てたい・購入したい」と考えていることが分かりました。
注文住宅は決して安い買い物ではないので、購入を足踏みしている方も多いかもしれません。
ただし、建物価格は国土交通省「建設工事費デフレーター」によると、過去60年で高騰し続けており、中長期で建物価格が下がっていく見込みはなさそうです。
すなわち、注文住宅は「建てたい」と思ったときが買い時です。一方で、住宅は実際に住んでみないとわからないことも多いので、他の方の体験談は非常に貴重です。
理想のマイホームを手に入れるためにも是非本記事を参考にしてみてください。
参考資料
- 国土交通省「平成30年 住生活総合調査結果」
- 平松建築株式会社「家の建てどきに関する調査」
- 国土交通省「建設工事費デフレーター」