「中欧班列」の運行数が9万本突破、巨大なビジネスチャンスもたらす―中国メディア

「中欧班列」の運行本数が累計で9万本、総走行距離数は7億キロ以上に達した。

自動車の部品や液晶パネル、リチウム電池の原材料などを満載した国際定期貨物列車「中欧班列」X8157号が5月25日午前8時40分、陝西省の西安国際港駅から、ポーランドのマワシェビチェに向かって出発した。これにより、2013年から運行が始まり、2016年にブランドが統一された「中欧班列」の運行本数が累計で9万本、総走行距離数は7億キロ以上に達した。

中国では、時速120キロの「中欧班列」87本がすでに運行されており、国内の122都市と繋がり、通関地は、阿拉山口(アラシャンコウ)通関地、霍爾果斯(ホルゴス)通関地、二連浩特(エレンホト)通関地、満洲里通関地、綏芬河通関地、同江北通関地の6カ所となっている。

海外を見ると、西、中、東の輸送メインルート3本が日に日に成熟し、カスピ海や黒海を越える新たな南ルートが加わって、欧州25カ国223都市、アジア11カ国100都市以上と繋がり、サービスネットワークはヨーロッパ・アジア全域をほぼカバーしている。

「中欧班列」の運行が始まってから今に至るまでに、輸送された貨物は累計で870万TEU (20フィート標準コンテナ)以上で、その価値は3800億ドル相当以上に達した。

西安国際港駅の李沛当直長はここ約10年、「中欧班列」が輸送する貨物の変化を見守ってきた。以前、貨物は主にノートパソコンやプリンターといったIT系製品が多かったものの、その後、衣類・靴・帽子、自動車・自動車部品、日用雑貨、食品などへと少しずつ拡大し、今では、53品目5万種類以上の貨物が輸送されるようになっているという。

それだけでなく、郵政物資や木材、茶葉、食用油、アイスクリーム、新エネ車などの専用列車も誕生し、好評を博している。2016年に「中欧班列」で輸送された貨物の価値は80億ドル相当だったものの、2023年には567億ドルにまで激増した。

海に面していない重慶市は、「中欧班列」を活用して、対外開放の新たな重要拠点へと少しずつ発展しており、外向型(輸出主導型)産業の生産高は年間平均30%のペースで増加している。中国の中原地区第一大都市である河南省鄭州市は、陸上シルクロードの繁栄の波に乗り、商人が集まる都市となっており、数多くの貿易企業が「中欧班列」を活用してビジネスを展開している。浙江省義烏市は、「中欧班列」を活用して、「中国全土を相手に売買」から「世界を相手に売買」へのモデル転換・高度化を実現した。

ドイツのデュースブルク港には物流企業100社以上が集まり、2万人以上の雇用が創出された。ポーランドの通関地があるマワシェビチェ駅の業務取扱件数は倍増し、経済は勢い良く発展し続けている。

「9万本」という大台は、新たなスタート地点でもあり、「中欧班列」は新たにギアを上げて発展しようとしている。「中欧班列」のうち、中国国内区間の運行距離は1日当たり1600キロ、海外区間の運行距離は1000キロに達し、1本当たりの平均輸送量は運行開始当初と比べて34%増加している。また、中国と欧州間の鉄道輸送の所要時間も、運行開始当初と比べて、ほとんどが5日以上短縮されている。今年以来、陝西省西安市とドイツのデュースブルク、四川省成都市とポーランドのウッチなどを結ぶ「中欧班列」が安定して運行されるようになり、輸送の所要時間も一般定期貨物列車と比べてほとんどが大幅に短縮されている。これまでに累計で258本運行され、好評を博している。

中国国家鉄路集団は衛星測位システム「北斗」や5G技術などを積極的に採用し、「中欧班列」の安全で安定した運行を確保できるよう取り組んでいる。そして、「中欧班列」カスタマーサービスセンターや「中欧班列」ポータルサイトを立ち上げ、「ワンストップ式」総合サービスプラットフォームを構築し、7×24時間態勢で、世界のクライアントに複合一貫輸送の伝票、ファイル、証書などの処理、貨物の追跡、専用カスタマーサービスといった基本的なサービスを提供している。

2020年5月から、「中欧班列」は48カ月連続で1カ月当たりの運行本数が1000本以上となっており、1万本運行にかかる期間は運行開始当初の90カ月から7カ月にまで大幅に短縮した。「中欧班列」は今後、「さらにハイクオリティーで、コストパフォーマンスが高く、安全」を方向性として、アップデートを続けていく。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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