佐伯市美術展写真の部、日本文理大付属高が審査員に 若い感性で熱心にチェック【大分県】

真剣な表情で応募作品を審査する日本文理大付属高のユーチュー部員=佐伯市大手町のさいき城山桜ホール
佐伯市美術展・写真の部の応募作品を審査した日本文理大付属高生徒と市写真協会員

 【佐伯】佐伯市の日本文理大付属高生が、「市美術展」(7~9日・さいき城山桜ホール)写真の部の入賞作品を決める審査員を務めた。「若者のみずみずしい感性で評価してほしい」と、市写真協会(石田誠一会長、45人)が初めて企画。写真愛好家の増加を図るとともに、地域の活気づくりにつなげる。

 同協会によると、写真の審査はこれまで、県美術協会写真部会の幹部らが1人で行っていた。会員からは「もっと違う目線の評価がほしい」「1人に任せるのはどうか」といった意見が寄せられていたという。

 「会員の減少や高齢化も課題。写真に対する若者の関心を高めたい」(石田会長)と同校に相談。動画制作に取り組む「ユーチュー部」(神田優菜部長、28人)から審査への協力を取り付けた。

 子や孫ほどに年の離れた高校生から評価を受けることに対し、会員は「むしろ楽しみ。欲しいのは賞状ではなく感想なので、遠慮なく良いと思ったものを選んでほしい」と歓迎した。

 4日、同ホールで部員23人が応募作品93点の審査に臨んだ。

 先入観なく判断してもらうため、評価方法の指導は一切なし。部員は各作品を熱心にチェックし、自らの感性に従って採点表に得点と寸評を記入した。3年の日高航汰さん(17)は「多彩な切り口があった。見ることで想像が膨らむ作品を選んだ」と振り返った。

 総合得点で上位の13点は、入賞作品として市美展で発表する。

 石田会長は「会員の評価が高かった作品も多く入賞している。良いものは世代を超えて伝わると分かった。若者と融合し、地域文化を盛り上げていきたい。今後も交流を続けていく」と述べた。

<メモ>

 市美術展は午前9時~午後5時(最終日は午後4時まで)、さいき城山桜ホール・大ホールで。入場無料。市文化団体連絡協議会が主催し、美術(絵画、彫刻、工芸)89点、書道62点、写真98点を展示する。

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