競馬場で飛び交った怒号、原因は観客の傘 「意識取られる馬も」「怒号のほうが正論」と議論呼ぶ

東京競馬場でのファンの“マナー”がSNSで議論に【写真:写真AC】

GI・安田記念の出走直前の様子が話題に

これから梅雨のシーズンを迎え、外出にも雨具が必要になる日も多いだろう。ネット上では、競馬場で傘を差す行為に対し、容しゃない怒号が飛ぶ動画が話題になっている。投稿したぜろ(@zero_NITS)さんに詳しい話を聞いた。

「これが競馬場のあるべき姿よな 傘さしてる人に対して容赦のない怒号が飛び交う」

6月2日、ぜろさんがXにショート動画を投稿すると、4.9万件の“いいね”が集まる反響に。「傘に意識取られる馬もいるし、競馬場で傘さすとか阿呆の行動よな」「馬に限らず、動物にとって傘がどれほど影響のある物なのか理解できない人最近多い」「傘からの雨垂れが当たる人にとってはさらに迷惑」「怒号のほうが正論」など多くの声が上がった。

ぜろさんによると、動画は同日、東京競馬場(府中市)で撮影したもの。

レースの状況については、GI・安田記念の出走直前で、ファンファーレが鳴った後を捉えたものだという。

「雨は小降りで降ったり、止んだりを繰り返していました」

公式発表では天候は小雨で馬場状態は稍重だった。屋根がある指定席は濡れないが、自由席は雨具がないと濡れてしまう。そこで、コース至近にいた1人の男性が傘を差していたというわけだ。

ただ、傘が邪魔して、一部の観客からは出走馬の様子が見れない状態となった。

動画では、後方の席から「オイ、そこ傘降ろせ!」「見えねえぞオラ!」と怒号が飛び交っている。

「後ろの人はこれから走る馬が見れなくなるので怒っていました。ただでさえ人混みで見えづらいのに傘を差す人がいると何も見えなくなる」

カッパやビニール傘ならまだしも、黒い傘で、視界がさえぎられていた。

男性は傘をしまったが、ここで終わらないのが競馬ファン。

今度は、男性に向かって大歓声とともに、「ありがとう!」の声が次々と上がった。

「ノリがいい人たちだなと思いました。『ありがとう』の言葉があることで場の雰囲気が少し和らいでよかった」と、ぜろさんは振り返った。

「観客席で配慮する人が少しでも増えてほしい」

この日は小雨だったが、大雨の日もある。競馬ファンとして悩ましい問題だが、傘を使用する、しないの線引きはどうすればいいのだろうか。

「大雨でも、レースが開催される以上は傘を差すべきでないと思います。後ろの人が見えないだけでなく、馬を驚かせてしまう原因にもなります。しかし、JRAからの注意喚起等は特にないので傘を差す人が多いですね」とぜろさん。

投稿には、「初めて競馬場に親に連れて行ってもらったのが2001年の天皇賞春(京都)で雨でした。その時も『GIくらいは傘閉じろ!』の怒号の他に、『馬も騎手も濡れて頑張ってるんだからお前も我慢しろよー!』というのもあったの思い出したw」とのコメントも。

多くの反響を呼んだことに、「コメントや引用リツイートを見ると、『最後のありがとうの言葉がよい』という意見がかなり多く驚いています。動画を途中で切らずに『ありがとう』まで撮っておいてよかったと思う。また、『傘を差すな』という同意見の人が多く安心しています。これを機に、観客席で配慮する人が少しでも増えてほしい」と受け止めていた。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

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