保線作業中の男性社員死亡 富山地方鉄道と社員3人を労働安全衛生法違反の疑いで書類送検 富山労働基準監督署

2023年4月、富山地方鉄道の線路で当時19歳の男性社員が電車にはねられ死亡した事故で、富山労働基準監督署は6日、富山地方鉄道と当時の部長など社員3人を労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。

書類送検されたのは、法人としての富山地方鉄道と、当時の60代の技術部長、50代の稲荷町テクニカルセンター所長、そして50代の保線グループ長の社員3人です。

この事故は去年4月11日、富山市水橋常願寺の富山地方鉄道の線路上で、線路の保守作業にあたっていた当時19歳の男性社員が電車にはねられたものです。

男性社員は頭を強く打ち意識不明の重体となっていましたが、搬送先の病院で死亡しました。

富山労働基準監督署は、保守作業を行わせる際、電車との接触をさけるために必要な監視装置の設置、または電車との接触を避けるため監視する人員の配置を講じていなかった労働安全衛生法違反の疑いがあるとしています。

現場には6人がいましたが、このうち死亡した男性を含む4人が保線作業にあたり、ほか2人が電車との接触を防止する監視にあたっていたものの、この2人は保守作業と兼務していたため、本来の監視に専念できていなかったとみています。

富山地方鉄道は「今回の件を真摯に受け止めて二度と同様の事故を起こさないよう努める」としています。

この事故をめぐっては、富山県警も業務上過失致死の容疑で富山地方鉄道の社員を書類送検しています。

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