ECB保守派、事前の利下げ方針発信を後悔=関係者

[フランクフルト 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)政策当局者の保守派数人は6日、ECBが今後利下げに転じるとのシグナルの発信があからさま過ぎたとして、遺憾の意を表明した。関係者4人がロイターに語った。こうした流れになっていなければ、今回の政策会合で金利据え置きを支持していたと話した者もいたという。

ECBはインフレ鈍化を踏まえ、この日の定例理事会で過去最高水準にある政策金利の引き下げを決めた。利下げは幅広く支持され、オーストリア中銀のホルツマン総裁のみが反対票を投じた。

利下げは理事会に先立って政策当局者の大半が支持し、デギンドス副総裁に至っては既成事実と述べていたことから、その情報は十分に伝達されていた。

ただ理事会までの数週間に発表された賃金や物価に関する一連の指標が懸念を招く内容だったことから、見通しは変化し、インフレ率が2025年半ばまでに物価目標の2%に戻るとのECB予想に懐疑的な見方が生じた。

関係者によると、保守派の数人は、これら最近の経済指標が利下げと一致していないかもしれないため、利下げ決定は判断に負う部分がより大きかったと指摘。理事会前に利下げの方向を示していなければ、今回それぞれの結論は異なっていたかもしれないとの意見も少数あったという。 ECBの報道官はコメントを控えた。

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