牛島司令官の辞世の句 「吟味した上で部隊で判断」 削除や修正の指示せず 防衛相 陸自15旅団HP

閣議後会見で質問に答える木原稔防衛相=7日、防衛省

 【東京】沖縄県内に駐屯する陸上自衛隊第15旅団が公式ホームページで日本軍第32軍の牛島満司令官の辞世の句を掲載している件を巡り、木原稔防衛相は7日の閣議後会見で「自衛隊の活動には地元の理解を得ることも不可欠。このような観点から吟味した上で情報発信をしていく」と語った。

 一方、削除や修正の指示はせず、具体的な対応は「地域の実情を把握している部隊(第15旅団)で判断していく」と述べた。

 沖縄戦における持久作戦についてどう捉えているか問われ「先の大戦の末期に県民を巻き込んだ凄惨(せいさん)な地上戦があり、軍民合わせて20万人もの命が失われた。特に、沖縄本島南部一帯では多くの住民が犠牲になった」と述べ「沖縄の人々の筆舌に尽くしがたい困難と、いまだに癒えることのない深い悲しみを胸に刻みながら戦争の惨禍を二度と繰り返してはならないと考えている」と話した。

 防衛省は、牛島氏の辞世の句が第15旅団のホームページに掲載された経緯について、旅団前身の第1混成群の部隊史を基に「沖縄の本土復帰直後の歴史的事実を示す史料」として記載したと説明している。その上で、第15旅団が削除を含めて掲載内容の修正を検討している。

(明真南斗)

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