高橋幸宏の生涯と人物像に迫る初めての展覧会『YUKIHIRO TAKAHASHI COLLECTION Everyday Life』がいよいよ開催。多数の展示物でたどる高橋幸宏の足跡

高橋幸宏の生涯、そしてその人物像に迫る初めての展覧会『YUKIHIRO TAKAHASHI COLLECTION Everyday Life』が6月6日より開幕した。初日となるこの日は高橋幸宏72歳の誕生日にあたる。開場を前に早くから熱心なファンが詰めかけ、正午の開場と同時に会場の代官山ヒルサイドフォーラムは賑わいを見せていた。

シンガー・ソングライター、ドラマー、プロデューサーといった音楽家としての足跡を中心に、俳優やTVタレントとしての活動、生涯の趣味としていたフィッシング、さらにはファッショニスタとしての側面などにもスポットを当て、長きにわたって世界的に活躍してきた音楽家にして、さまざまなカルチャーにコミットしたディレッタントでもあった高橋幸宏その人の魅力を、貴重なアイテムの展示や、ここでしか視聴できない音源/映像などからリアルに体感できる内容となっている。

細野晴臣による追悼コメントとともに飾られたSKETCH SHOW時代のドラム・キットに始まる展示スペースでは、高橋幸宏のパブリックな活動が網羅的にまとめられている。とりわけ目を引くのは、アマチュア時代に参加していたバンド、ザ・ブッダーズ・ナルシーシーの記事が掲載された1968年の『ヤング・ミュージック』誌、サディスティック・ミカ・バンド初の英国ツアーに際してハーヴェスト・レコードから送られたシルヴァー・ディスク、イエロー・マジック・オーケストラ1980年ワールド・ツアー時における資料や楽曲アレンジをまとめた自筆ノート、メンバー紹介のための生原稿といったアイテム。俳優として初主演した『四月の魚』の台本(追加セリフの書き込みが入っている)、レギュラー出演していたヴァラエティ番組『極楽テレビ』や司会を務めた『AXCEL』などの台本も、音楽だけにとどまらないその活動の幅広さを物語るものだ。

“FAVOURITES OF YT 高橋幸宏が愛用したものたち”と題された展示スペースは、高橋幸宏のよりパーソナルな部分に迫る内容となっている。実際に自宅で使用していた家具などを用いてインテリアを再現し、さらに自身が着用していたワードローブも展示、他にも本格的に傾倒していた釣り道具や自身が手掛けたファッションブランド“Bricks” “BRICKS MONO” “YUKIHIRO TAKAHASHI COLLECTION”にまつわるアイテムや告知ポスターなども紹介されており、高橋幸宏という人物のより深い部分を知ることができる。

また、YMO1979年ロサンゼルス公演の「RYDEEN」や各時代のソロ、HASYMOの映像作品から5曲をピックアップし、設置されたキューボックスを使って映像を観ながら各パートの音声を個別に聴くことができるコーナーや、新たにサラウンドミックスされた楽曲を360 Reality Audioで体感できるコーナーがあったり、別会場のヒルサイドテラスでもさまざまな関連映像の上映(ここでしか観られない希少映像もある)が行われるなど、高橋幸宏が残した音楽の真髄を最新の技術で味わうことができるようになっている。

『YUKIHIRO TAKAHASHI COLLECTION Everyday Life』は6月9日(日)まで同会場にて開催。入場チケットとともに立花ハジメがデザインした同展ロゴをあしらったトートバッグと、1982年から2019年までに行われた高橋幸宏ソロ・コンサートのデータをまとめたブックレットがもれなく渡される。さらに会場では高橋幸宏関連のCD、映像等のパッケージのほか、Tシャツ等の会場限定グッズの即売も行なわれている。こちらもあわせてチェックしていただきたい。

© 有限会社ルーフトップ