万里の長城考古発掘で初めて明代の銅銭を発見

万里の長城考古発掘で初めて明代の銅銭が発見されました。

北京市の北西郊外にある箭扣長城(万里の長城の一部)の第5期保護修繕プロジェクトの考古発掘現場で3日、銅銭(銅製の硬貨)1枚が発見され、その表面には「万暦通宝」の4文字があります。専門家の鑑定によると、これは明代の銅銭とのことです。

同プロジェクトの責任者で北京市考古研究院の尚珩研究員は、「2018年に長城考古プロジェクトを開始して以来、明代の銅銭が発見されたのは初めてだ。長城で警備に当たっていた将兵はお金を使う必要がなく、給料をもらったとしても麓の兵営で一律に支給される。そのため、今回発見された銅銭は将兵が所持していたお金を紛失したものである可能性が高い」としています。

尚研究員は、銅銭が発見された120号敵台(のろし台)は建築様式から明代の万暦年間(1573-1620年)に建てられたものであるとみられ、今回「万暦通宝」銅銭が出土したことにより、ここで出土した一連の文化財が明代の万暦年間のものであることがより確実になったと分析しました。また、「この敵楼は一次的に崩壊し、崩壊時期が比較的早く、その後は外部からの人的な影響が少なかったため、古代の人が残した文化財や遺跡がさらに発見される可能性がある」と指摘しました。

箭扣長城の120号敵台は発掘以来、火薬を装填するための鉄器、子銃(小型大砲の一種)、水がめの破片、青花磁器の破片などが相次いで発見されました。これまでの北京の長城での考古発掘では、火砲(古代の大砲)、石雷(石の殻に火薬を詰めた簡易な地雷)、箭頭(矢じり)などの武器や水稲、キビ、アワなどの炭化物も発見されました。(提供/CRI)

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