靖国神社の石柱落書き、参拝した外国人もあ然「敬意をもって」 ブルーシートは外される

社号標に落書き行為が発覚(写真はイメージ)【写真:写真AC】

動画サイトに行為の様子も拡散

東京・千代田区の靖国神社で社号標(石柱)に落書きがされていたことがSNSで拡散、波紋が広がっている。該当の動画はすでに削除されたが、警視庁が捜査を進めており、中国外務省の報道官も「現地の法律や法規を遵守し、理性的に要求を表現するよう改めて促したい」と会見で言及する事態となった。現状はどうなっているのか、取材を行った。

問題が発覚したのは今月1日。報道によると、社号標に赤いスプレーのようなもので「Toilet」と書かれているのを通行人が発見した。さらに周辺にも張り紙がされていたという情報も出ている。

また、中国の動画サイト上で、社号標に落書きする男性の様子が投稿され拡散。すると、日本のSNS上で著名人が怒りの声を上げるなど、物議を醸した。落書きした男性は中国籍で、撮影後すぐ出国したとされている。

4日に現場を訪れると、社号標を覆っていたブルーシートは外され、「靖国神社」の文字が見えるようになっていた。快晴の中、老夫婦や近隣の学校に通学する小学生や大学生、外国人など多くの人が行き交う。騒動があった余波か、通行する際に社号標を指差して話し込む様子や写真を撮影する人の姿も見られた。

付近を歩いていた大学生は「気分は良くない」と率直な感想を吐露

この日靖国神社を訪れた人は、今回の事態についてどう受け止めているのだろうか。

県外から靖国神社近くの大学に通っているという20歳の男性2人組。3日に動画を知り、現場を見に来たという。「もう(落書きは)ないかなと思って来たんですけど」と訪れた理由を口にした。男性は落書き行為に対して「気分はよくない。野蛮ではある」と指摘した上で、「公共の場に落書きするというのはそもそも犯罪だし、モラル的にもよくない」と話した。またもう一人の男性も「日本の人がどう思うか分かってやっているならよくない」と残念がった。

また、海外からの訪日客にも話を聞いた。皇居の周りで食事をとろうとしていたところ靖国神社を見つけたという、来日したばかりのドイツ人男性。落書きがあったことに関してどう思うか尋ねると、「本当に悪いことだ。ここは美しい場所だし、敬意をもって扱わなければならないと思う」と不快感を示した。

今回の問題は日本、中国外務省がコメントするなど、両国の関係に影響が与えられている。早期の全容解明が待たれる。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

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