金沢城石垣、復旧に15年 知事「現場見学会も検討」 県議会一般質問 

元日の地震発生以降崩れたままの石垣=7日午前11時45分、金沢城公園玉泉院丸口付近

  ●6月中に樹木整理開始

 石川県議会6月定例会は7日、本会議を再開し、馳浩知事は一般質問の答弁で、能登半島地震で被災した金沢城の石垣復旧に15年程度かかるとの認識を示した。石垣の被害は28カ所で、このうち崩落した5カ所は3~5年程度を要する見込み。馳知事は文化庁と協議して復旧作業を進めるとし、「石垣は金沢城の大きな魅力。現場見学会の開催も検討していく」と説いた。

 馳知事は、まず崩落した石垣の復旧から進め、今月から作業の支障となる樹木の整理を始めるとした。今夏には崩れた石材を取り除き、文化財調査に使う足場を設置すると説明した。

 石垣は文化財であることから、4月に設けた専門家会議で価値の保全と強度の確保を両立する復旧工法を検討していく。

  ●原則2年の仮設住宅「入居期間は弾力的」

 8月までに必要分を建設する応急仮設住宅の入居期間は原則2年とされているが、馳知事は「状況に応じて延長するなど弾力的に対応する。『2年たったので、出ていってくれ』と申し上げるつもりはない」と述べた。いずれも米澤賢司氏(自民)が尋ねた。

 奥能登4市町の40代以下の人口に関し、今年4月までの1年間で1686人が減少した。震災前の数年間の平均と比較して1.7倍に増えており、馳知事は「地震で人口減が加速した厳しい状況を浮き彫りにしている」と強い危機感を示した。打出喜代文氏(未来石川)が取り上げた。

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