“廃盤モデル”のウェッジに戻せたワケは? 吉本ひかる2日連続60台

通算7アンダー、V戦線で週末に進んだ(撮影/松本朝子)

◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープン 2日目(7日)◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫)◇6526yd(パー72)◇曇り時々晴れ(観衆4442人)

今季出場14試合で予選落ちは2回だけ。トップ10は2回あり、メルセデスランキングは22位。悪くはないけど、何かが足りない。吉本ひかるは今週、58度のウェッジを“元エース”に戻した。

吉本のミズノプロS18はバックに鉛がペタッと貼られ、溝も摩耗が進んでいる。2017年発売のモデルで、プロ転向3年目の19年ごろからずっと愛用してきたが、昨季途中で製造中止になるとの情報が飛び込んできた。

58度のウェッジを17年発売の“エース”に戻した(撮影/加藤裕一)

「製造が続けば、ずっと使い続けようと思ってましたけど…」。新しい愛器を探さなければいけないと、エースを封印。その後は後継モデル、他メーカーのウェッジを使ってきた。しかし「ちょっとしたフィーリングが違うんですよ。ソールの感じとか」と馴染み切れず、エース再投入を決めた。兵庫県下で中島敏雅コーチが主宰する「ゴルフアカデミー中島」で “在庫”も3本見つけた。フェースが“ダメ”になったら、状態の良いものから順に使っていき、同時並行で新エースを探していくことにした。

アプローチ、パットが良くなり2日連続60台(撮影/松本朝子)

初日を「69」として10位で滑り出し、この日は5バーディ、1ボギーの「68」で回り、通算7アンダーと上位での予選通過を決めた。スコアメークで大事な要素の一つは100yd以内、グリーン周りのショートゲームがセオリーだが、ドライビングディスタンス227.08yd(81位)でステディなスタイルで勝負する吉本にはなおさらだ。

流れに乗りたい黄金世代の一人(撮影/松本朝子)

3月「アクサレディス」で臼井麗香、「ヤマハレディス」で小祝さくら、4月「パナソニックオープン」で天本ハルカ、前週「ヨネックスレディス」で新垣比菜が優勝。前週「全米女子オープン」では渋野日向子が2位になった。今シーズンは、1998年度生まれの“黄金世代”の活躍が目立っている。

「ブームに乗りたいですね」。“廃盤モデル”のウェッジと添い遂げる覚悟を決めた吉本が、昨年3月「明治安田生命レディス」以来のツアー2勝目を狙っていく。(神戸市北区/加藤裕一)

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