「普段はこんなに出金する人じゃない」外回りで知り合った顧客の自宅PCを確認 リモート操作の形跡見つけ110番 鳥取信金の職員に感謝状

感謝状を手にする鳥取信用金庫東支店の吉沢祐太さん=5日、鳥取県鳥取市吉方町

 鳥取署は、特殊詐欺を未然に防いだとして鳥取県鳥取市吉方町、鳥取信用金庫鳥取東支店の職員吉沢祐太さん(32)に感謝状を贈った。吉沢さんは4月、来店した70代の男性が特殊詐欺に遭っていると気付き、警察に通報した。

 吉沢さんは外回りの仕事をし、特殊詐欺に狙われた男性と仕事で知り合った。男性が窓口で10万円を引き出そうとした時に「普段はこんなに出金する人じゃない」と思い「何に使われるんですか」と声をかけた。

 男性がパソコンの修理のために電子マネーが必要だと話したため、自宅へ行って様子を見ることにした。パソコンを最近、購入したと聞いていて、怪しいと感じたという。

 パソコンを見ると、リモートで操作されていたような形跡が目についた。電子マネー10万円分を買ってくるよう指示が書き込まれ、詐欺と確信した。

 鳥取署の笠田孝二署長から感謝状を受け取り、吉沢さんは「今後も詐欺を未然に防げるようにしていきたい」と話した。

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