黎智英氏、壱伝媒設立で中央と戦う

外国勢力との共謀罪に問われた壱伝媒集団の創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏と『りんご日報』関連会社3社の裁判が6月4日に88日目を迎えた。5日付香港各紙によると、検察は4日、黎氏の逮捕前のインタビュー映像や、英国の反中団体「香港監察」創設者ロジャース氏が黎氏に送ったビデオを流した。黎氏は中国に対抗するために「壱伝媒」を設立し『壱週刊』を創刊したと指摘し、香港の『りんご日報』の事業が軌道に乗った後、香港の新聞業界で影響力を高めるために台湾版『りんご日報』を創刊することにしたと説明した。ロジャーズ氏は英国政府が香港を支援しないことに失望し、英国政府が中国に制裁を課し、BNOを持たない香港人に庇護を提供するよう提案した。

検察は4日、法廷で黎氏の逮捕前のインタビュー映像を流した。黎氏は貧しい家庭に生まれ、カジュアル衣料ブランド「ジョルダーノ」を設立した後、ゼロからスタートした経験を簡潔に説明した。中国に敵対的な行為が「ジョルダーノ」の中国本土での事業展開に影響を与えるのを避けるため、1989年に「ジョルダーノ」を売却することを決定。黎氏は、香港の法の支配が侵食され、ビジネスマンの間の「相互信頼」が失われれば取引は大幅に減少し、国際金融センターとしての香港の地位が損なわれるだろうと述べた。黎氏は『りんご日報』の事業を台湾に拡大することで、香港の『りんご日報』の保護傘として利用すると同時に、中国に敵対する「テコ」にしたいと述べた。黎氏はトランプ政権には中国に対抗する能力があると信じており、本土での新型コロナウイルス流行による経済低迷に乗じて中国に制裁を発動するようトランプ大統領に求めた。

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