killmilky、4部作の最終曲「トレ・ユネールがあいまいになって」本日リリース

東京を拠点に活動する4人組バンド、killmilky(キルミルキー)がデジタル・シングル「トレ・ユネールがあいまいになって」を本日6月7日(金)にリリースした。本作は4ヶ月連続でリリースするシングルの第4弾。

killmilkyは、2020年に小森まなこ(Vocal / Guitar)を中心に結成。同年、「誘蛾燈」「白昼夢」のミュージック・ビデオをYouTubeにて発表。2021年7月に初ライブを敢行し、以来シューゲイズ・シーンを中心にライブ活動を展開。2022年4月に1st EP『If you kill milky me』、2023年7月に2nd EP『虚構のサンクチュアリ』をリリース。苛烈なノイズの轟音と、その隙間から響き渡るフィメール・ヴォーカルで、狂気と情念が渦巻くサウンドを鳴らしてきた。 今作「トレ・ユネールがあいまいになって」は、水や金属など環境音のサンプリングと爪弾かれるギターのフレーズから、killmilkyらしい轟音、そして短いフレーズを淡々と繰り返すヴォーカルへと繋がっていく1曲。ノイズ・ギターに加え、ドラムやベースなどの断片をコラージュのように散りばめたサウンドは、バンドという形態から逸脱したものとなっている。 また、今作のタイトルはジャック・ラカンの精神分析に登場する概念「トレ・ユネール」を冠しているが、直近3作のシングルの主題である「シニフィアン」(=表象)、「フィギュール」(=形象)、「シーニュ」(=記号)との関連性を浮かび上がらせる。そして、今作まで4ヶ月連続でシングルをリリースしてきたが、今作リリースのさらに1ヶ月後はkillmilkyにとって重要な7月7日、七夕となる。これらの意味するところとは。 なお、これまでの楽曲同様、今作もレコーディングからミックス/マスタリングに至るまで、全てセルフ・プロデュースによって制作されている。

中野ち子(Guitar)コメント

音楽をつくったり、詩を書いたり、絵を描いたりして過ごしていました。その中でできた作品をこのような形で公開したりしています。普段、「生きてるってなんだろう」とか「存在ってなんだろう」とか、そんなことを考えています。精神病のことや言葉、死のことを考えていた時間も長かったかもしれません。今回の連作では、ラカンやレヴィナス、ベケットあたりを糸口にした部分もあったように思います。

『トレ・ユネールがあいまいになって』は今回の四部作の最後の作品です。それは、わたしにとってとても大切な作品になりました。歌詞は「あわい おれんじ ひかり とけて いま トレ・ユネールがあいまいになって」ただこれだけです。

わたしたちには意味をもたないものや、不在への憧れがあります。そして存在そのものに対して、ある(il y a)ことに対して漠とした恐怖を感じます。

トレ・ユネールはわたしたちにとって最初のシニフィアンであり、すべてのシニフィアンはトレ・ユネールに帰着します。わたしたちの知覚する世界には無限のシニフィアンがひしめき合っていて、そのすべてがトレ・ユネールから生まれてきました。わたしたちは消失することはできず、最初に手にしたエクリチュールを捨てることはできません。不在になることも、生まれる前に戻って生まれるのをやめることもなんだか難しいです。そんな時に、トレ・ユネールがあいまいになった世界を想像しています。意味や存在が危うくなって、思考しない物質になる。眼球は光と関わるのをやめて、残されたいとおしさだけを感知する。熱が失われても、少しくらいは在りたいと思う、のかもしれない。

そんなことを考えながら聴いたり、他のことを考えながら聴いたり、何も考えずに聴いたりしてください。

【killmilky(キルミルキー)プロフィール】

小森まなこ(Vocal / Guitar)

中野ち子(Guitar)

わだ(Bass)

★(Drums)

東京を拠点に活動する4人組バンド。2020年に小森まなこ(Vocal / Guitar)を中心に結成。2021年7月に初ライブを敢行。2022年4月に1st EP『If you kill milky me』、2023年7月に2nd EP『虚構のサンクチュアリ』をリリース。苛烈なノイズの轟音と、その隙間から響き渡るフィメール・ヴォーカルで、狂気と情念が渦巻くサウンドを淡々と鳴らす。

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