【今井利春さん・夏美さん(食堂カフェ はるとなつ)】“美味しいものを提供し続ける”

【プロフィール】

今井利春(いまいとしはる):1975年新発田市生まれ。地元の高校を卒業後、観葉植物のレンタル・リース会社に就職。その後、料理の道を志す。新発田駅前にある「鮨 和食 ながしま」の店長、新発田城カントリー倶楽部内のレストランの料理長を経て、独立する。

今井夏美(いまいなつみ):1986年新発田市生まれ。高校を卒業後、飲食店などを中心に接客業に従事する。新発田城カントリー倶楽部で勤務し、利春さんと出会う。2022年3月にオープンさせた「食堂カフェ はるとなつ」では、ホールとお菓子作りを担当している。


『新潟人204人目は、新発田市にある「食堂カフェ はるとなつ」の今井利春さんと夏美さんです。女性客を中心に連日満席の同店は、人気の“松花堂ランチ”をはじめ、佐渡直送の鮮魚をメインに据えた海鮮御膳などが評判です!オープンの経緯や今後についてを伺いました!素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』

母親の影響で料理の世界へ

——利春さんは料理人を目指していたのですか?

利春さん:農業高校を卒業した後は、観葉植物のレンタル・リース会社に就職したんです。しかし、思い描いていた内容と実際の仕事にギャップを感じ、すぐに退職しました。

——料理とは関係ないお仕事だったのですね!

利春さん:その後も植物関係の会社に転職したのですが、在籍していた支店を閉めることになりまして…。そのときに、地元にある「鮨 和食 ながしま」の求人を目にして応募しました。

——なぜ飲食業界へ転職されたのですか?

利春さん:母親が新発田市役所の食堂で調理の仕事をしていたので、幼いころから料理に興味を持っていました。「ながしま」で働く前にもアルバイトとしてさまざまな和食のお店で働いていて、“本格的に料理を学びたい”と考えたのがきっかけですね。

——飲食業界で働き始めて、どうでしたか?

利春さん:当時の社長が「調理師免許を取ろう」と言ってくれて、入社後すぐに取得しました。当時のながしまは、食堂的な要素が強く、寿司やラーメン、カツ丼、定食と本当に幅広い料理を提供していました。駅前商店街も非常ににぎわっていて、常に忙しかった印象ですね。

——店長も務められていましたが、環境に変化はありましたか?

利春さん:店長になってからはホール担当でしたが、“寿司を握って、料理を作って、仕込みして”と調理場の中の仕事も連日していましたね。魚の仕入れ方について勉強したのもこのころで、“いろいろな経験をさせていただき、鍛えていただいた”と思います。

“自分の技術を高めたい”と割烹へ

——独立を考えたのはいつごろですか?

利春さん:ながしまに入社して5年が経ったころから、「自分の店を持ちたい」と思うようになりました。しかし、当時の技術ではお店を持つなんて無理です。「日本料理の勉強をしたい」という想いもあったので、退職して聖籠町にある割烹で勤めました。

——目標のために動き始めたのですね!

利春さん:しかし、体調を壊してしまって…。退職するタイミングで、ゴルフ場の料理長の話をいただいたんです。ゴルフ場は勤務時間も短いので、「体を慣らすのにはもってこいだ」と思い、働くことにしました。

——お二人はこのゴルフ場のレストランで出会ったのですよね?

夏美さん:そうです(笑)。物件探しも兼ねて二人であちこち巡っていました。そんな中、“お店のあるこの場所”が特に気になって…。それを同僚に話したら、偶然にも大家さんと知り合いだったので紹介してもらいました。トントン拍子に話が進んでいきました。

——お店の内装も素敵ですよね!

利春さん:内装は、大工だった父親にお願いしました。70歳を超えているので「自信がない」と当初は話していたのですが、いつの間にか図面を起こしていて(笑)。私たちも手伝いましたが、さすがプロだなと親ながら感じましたね。

二人の名前から一文字ずつ

——店名の由来を教えてください!

夏美さん:「難しい名前はやめよう」となり、熟考した結果、二人の名前から一文字ずつ取ることにしました。“優しい雰囲気を持たせたい”とあえて平仮名にして、ロゴのラフも自分たちで考えました。

——【食堂カフェ】とありますが、この意味合いは?

夏美さん:構想段階では、“食事の後にスイーツも楽しめるお店にしたい”と思っていたので「食堂カフェ」と付けました。開店当初は、日替わり定食やラーメンなど多様なメニューを提供していたのですが、調理は主人ひとりなので、とてもスイーツを出している余裕はありませんでした。そこで2人で話し合って、看板メニューの「松花堂ランチ」を中心としたラインナップに絞りました。

利春さん:ランチは「松花堂ランチ」「日替わり」「海鮮御膳」「新発田牛御前」を提供しています。ディナーはこれらに加え、一品料理も提供していますよ。佐渡直送の海鮮を充実の日本酒と一緒に味わっていただきたいですね。私の趣味も入った“月一のラーメンデー”も好評です!(笑)

“自分たちが納得できる料理”を提供し続ける

——駐車場には、スイーツなどが購入できる自動販売機もありますね!

利春さん:ごま豆腐やシフォンケーキなどを販売しています。一番人気は、40分絶え間なくかき混ぜてつくる「ごま豆腐」ですね。

夏美さん:私も大好きなんです。自動販売機はいつでも購入できるので、気軽に立ち寄っていただきたいです!

——(取材中も電話が鳴り止まず)非常に多くの方に愛されているお店ですね!

利春さん:ありがたいことに、アイドルタイム(昼と夜営業の合間)には多くのご予約の電話をいただきます。“ランチは基本的に予約優先の2部制(滞在時間は80分まで)”とさせていただいています。

——最後に、今後の目標を教えてください!

利春さん:今と変わらず“常に手を抜かない料理”、そして“自分たちが納得のいく味わいを提供し続けていきたい”です。

夏美さん:お客様は「美味しいもの」を求めて、当店に来ていただいていると思います。だからこそ、“美味しいものを提供し続けること”は絶対に守っていきたいですね!

【食堂カフェ はるとなつ】

住所:新発田市太斎479     
電話:0254-28-8705 
営業時間:10:30~14:00、18:00~21:00  
定休日:月曜、ほか不定休
公式Instagram:@shokudoucafe_harutonatsu

© 株式会社新潟日報メディアネット