中国国産商用機、持続可能な航空燃料で初の実証飛行

中国国産商用機、持続可能な航空燃料で初の実証飛行

 【新華社上海6月7日】中国の国有航空機メーカー、中国商用飛機(COMAC)のリージョナル旅客機「ARJ21」と大型旅客機「C919」は5日、持続可能な航空燃料(SAF)を使用し、上海と山東省東営の2都市の上空で、それぞれテスト飛行を実施した。SAFを使用した国産商用機の実証飛行は初めてで、優れた飛行性能をアピールした。

 SAFは再生可能な原料でつくる液体の代替航空燃料を指す。今回のSAFは従来の航空燃料に比べ、生産から燃焼までの全過程で二酸化炭素(CO2)の排出量を最大で80%削減可能という。SAFの使用は民間航空運輸業にとって、地球温暖化対策、CO2の排出削減に向けた重要な取り組みとなる。現在、主な航空機メーカー、航空大手各社、ハイテク企業がいずれもSAFの実用化について研究している。中国では、10余りの企業と研究機関がSAFの開発、生産に取り組み、複数の航空会社も国産SAFを使用した商用テスト飛行を実施している。

 COMACは2022年、国産商用機でのSAF使用計画に着手した。国内外のSAF技術基準、テスト飛行方法を深く研究するとともに、SAFの技術的問題の解決に努め、動作検証を行い、24年2月に中国民用航空局から耐空証明書を取得した。

 実証飛行で使用したSAFは国有石油大手、中国石油化工集団(シノペック・グループ)が独自開発したバイオ航空燃料技術を取り入れ、廃食油を原料にした。廃食油は、同社傘下の石油化学メーカー、鎮海煉化が建設した国内初のバイオ航空燃料生産装置で、グリーン(環境配慮型)資源に加工された。

 

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