香港最高裁、英国籍判事2人が辞任 政治情勢が理由

James Pomfret Jessie Pang Greg Torode

[香港 7日 ロイター] - 香港司法当局は6日、終審法院(最高裁)の非常任裁判官を務める英国籍のローレンス・コリンズ、ジョナサン・サンプション両氏が辞任したと発表した。

コリンズ氏は英紙フィナンシャル・タイムズ紙に「香港の政治情勢」が理由と説明した上で、「終審法院と裁判官の完全な独立性について引き続き全幅の信頼を置いている」と述べた。

サンプション氏はロイターに辞任したことを認め、来週声明を出すと述べた。

香港高等法院(高裁)は先週、民主派が香港国家安全維持法(国安法)違反に問われた裁判で、14人に有罪判決を言い渡した。

アンドリュー・チャン終審法院長官は7日、声明で両氏の辞任は遺憾だとし、「全ての裁判官と司法関係者は今後も司法宣誓を順守し、恐れやえこひいき、私利私欲、欺瞞(ぎまん)を排し、法に従って司法を執行する」と表明した。

チャン氏によると、終審法院には現在、香港出身の非常任判事4人と、他のコモンロー地域出身の非常任判事8人が在籍している。

2020年の国安法施行以降、終審法院の判事を辞任する英国籍判事が増えている。

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