米国の多国間軍事演習に自衛隊が初参加 国分駐屯地で対艦ミサイル戦闘訓練、実弾使用なし

展開された12式地対艦誘導弾の発射機=7日、霧島市の陸上自衛隊国分駐屯地

 米国の多国間軍事演習「バリアント・シールド」に自衛隊が初めて参加する訓練が7日、鹿児島県内などで始まった。県内では陸上自衛隊の国分、奄美の両駐屯地と瀬戸内分屯地で10日までの日程で、地対艦ミサイル部隊や電子戦部隊の展開訓練がある。米軍との連携により、中国が進出を強める東シナ海での抑止力を強化することなどが狙いとみられる。

 国分駐屯地では7日、健軍駐屯地(熊本市)の第5地対艦ミサイル連隊約20人が12式地対艦誘導弾の発射機2基を展開した。訓練では艦隊や航空機との情報伝達なども実施するが、実弾は使用しない。同誘導弾は県内では、離島防衛の体制強化を目的に瀬戸内に配備されており、配備のない国分駐屯地の隊員は訓練には参加しない。

 演習は米軍が2006年から隔年で実施。自衛隊の参加は18日までで、陸海空の約4000人が自衛隊や在日米軍の施設、日本からフィリピン周辺に至る海域などで訓練する。

〈別カット〉展開された12式地対艦誘導弾の発射機=7日、霧島市の陸上自衛隊国分駐屯地

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