孤独死疑いが増加傾向 3年連続 市で統計 藤沢市

藤沢市が把握する市内の孤独死や孤立死が疑われる高齢者の数が、増加傾向にあることが市への取材で分かった。

市福祉部では、昨年5月に成立した国の「孤独・孤立対策推進法」に合わせ、市内の状況を把握するため、2021年7月から調査を開始。同部によると、2023年度に「誰にも看取られることなく死亡していた人」は71人確認され、22年度の47人から51%増加した。統計を開始した21年度(7月から3月)は36人だった。

うち「引き取り手のない遺体」は23年度36人。22年度の22人からは63%増加した。21年度(同)は14人だった。

統計結果について、市高齢者支援課は「高齢化に加え、近所付き合いの希薄化や家族構成の変化など人間関係の変化が影響しているのではないか」と説明する。

市内の65歳以上の高齢化率は5月1日現在で24・57%。70歳以上の独居高齢者の割合も増加傾向にあり、21年(1月1日現在)の1万4382人から今年5月1日には13・9%多い1万6382人に増えた。

近年は住民が近隣と交流を求めないケースも散見されるといい、市も対策に乗り出している。独居高齢者への緊急通報装置を貸与する取り組みのほか、環境事業センター職員によるごみ収集の際の安否確認を実施。藤沢型地域包括ケアシステムに基づく協定で民間事業者とも連携し、高齢者の孤立化防止を図っている。同課の担当者は、「看取られずに亡くなる人を減らすために、民間とも協力しながら対策していく」と述べた。

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