児童虐待 相談人数 7年ぶり減少も高水準 センターへの相談は増加 相模原市中央区

相模原市は5月27日、2023年度に子育て支援センターと児童相談所で虐待の相談を受けた児童数を発表した。虐待が疑われる児童の人数は前年度から81人減少した。16年度以来7年ぶりに減少に転じたが、依然として高い水準を維持している。

児童虐待の相談人数は全国的に増加が続き、相模原市でも22年度は過去最多の3170人を記録した。市では10年に児童相談所(児相)を設置。17年に各区に子育て支援センターを設置し相談窓口を一元化するなどの環境整備を進めてきた。

23年度の児童虐待の相談人数は前年度から81人減の3089人。児相への相談人数は前年度比112人減の1673人だった。全体では減少したが、同センターへの相談人数は前年度比31人増の1416人だった。

市こども・若者未来局こども家庭課の担当者はこうした状況について「数字は減っているが、高い水準は維持しているとみている」と話す。

子育て支援センターは、子育ての不安や悩みを相談できる施設。産婦健診や子ども定期健診で虐待が疑われるケースなど、比較的軽微な虐待の相談が多い。一方、児相は相談の他、一時保護・措置機能など児童を強制的に保護できる権利を持っているため、警察機関からの相談が多い。

種類別で見ると、心理的虐待、ネグレクト、身体的虐待の割合が大部分を占める。最も多いのは脅迫や無視など心理的な外傷を与える「心理的虐待」の1463人で、全体の47・4%を占める。次いで、食事を与えない・長時間の放置などの「ネグレクト」が906人。殴る・蹴るなどの「身体的虐待」は703人。虐待者については前年度同様、ほとんどが実父・実母で全体の95・6%を占めている。

乳幼児期の支援を

年齢別では前年度同様、乳幼児が1399人で最も多く、次いで小学生(1019人)、中学生(433人)となっている。同課の担当者は「早期発見・早期対応が重要。さらに、家庭訪問や健診などの場を活用し、発生予防のために乳幼児期の支援に努めていく」と話し、市民に「様子がおかしいと思ったら通告や相談を」と呼びかけている。

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