奥能登、窃盗急増 1~4月は5.2倍の78件

  ●輪島、珠洲署が警戒強化

 能登半島地震で甚大な被害を受けた奥能登4市町で、窃盗被害が急増したことが、輪島、珠洲署のまとめで分かった。両署管内の1~4月の認知件数は78件で、前年同期(15件)と比べると5.2倍に。地震で倒壊、破損した家屋に盗みに入る「災害便乗の窃盗」も多く確認されている。避難者らは自己防衛が難しいため、両署は巡回を増やすなど警戒を強めている。

 輪島署管内の輪島市、穴水町では、刑法犯認知件数が前年同期比4倍の52件で、うち窃盗犯が4.1倍の41件だった。珠洲署管内(珠洲市、能登町)でも、刑法犯認知件数は5.6倍の45件で、うち窃盗は7.4倍の37件だった。

 珠洲署管内では、24件が災害便乗の窃盗で、このうち7件、窃盗犯全体でも14件はすでに摘発済みだ。

 珠洲市内では被災家屋など3軒で窃盗を繰り返したとして、窃盗と住居侵入などの容疑で大阪市の男が1月以降3度逮捕され、2月に起訴された。男は初公判で起訴内容を否認した。

 また、輪島市内では、地震で被害を受けた民家から高級ミカンを盗んだとして、自称愛知県の大学生の男が1月に逮捕された。男は「ボランティアで来た」と供述していた。

 7日には、珠洲署が仮設住宅団地での防犯キャンペーンを行った。担当者は「被害の防止対策と摘発をこれからも進めていく」と話した。

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