【新日本】辻陽太 6人タッグ王座挑戦は〝棚橋弘至戦〟への通行手形「もちろん試合でも…」

辻陽太(左)と棚橋弘至

新日本プロレス9日大阪城ホール大会でNEVER無差別級6人タッグ王座(現王者は棚橋弘至&矢野通&ボルチン・オレッグ)に挑戦する辻陽太(30)が、その真意を明かした。

辻は3日後楽園大会で矢野からフォール勝利。大阪城決戦で「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の高橋ヒロム&BUSHIとのトリオでベルト取りに臨む。

実は葛藤もあった。ちょうど1年前の大阪城大会では、海外武者修行から凱旋帰国し、いきなり団体最高峰のIWGP世界ヘビー級王座に挑戦した。今春の「NEW JAPAN CUP」で初優勝を飾ったものの、キャリアを通じてまだ一度もベルトを巻けていない。「自分としてはここまでシングルプレーヤーでやってきたし、これからもやっていきたいと思っていて。IWGP世界に2回、USにも挑戦してきたけど、そこでまだ結果を残せていないのにタッグ戦線のベルトに挑戦するのは、自分のやりたいことに反するんじゃないかと」と胸中を明かす。

しかし、その迷いを振り払ったのが、棚橋の存在だ。アメフトで活躍していた大学生時代に東京・目黒区内の自由が丘で偶然出会った棚橋と出会った辻は写真撮影をお願いした際に「いい体してるね。プロレスやらんの?」とスカウトされ、これがプロレス入りのキッカケとなった。「自分の進む道はあくまでシングルなんですけど、今回は相手に棚橋弘至がいる。棚橋弘至の今のコンディションを見ていると、申し訳ないけど俺が付け人を務めていたころと違ってあまりよくないし、IWGP世界をかけて戦う機会が来るかは、なかなか難しいんじゃないかと。6人タッグであっても、目の前に彼とタイトルマッチを戦うチャンスがあるなら、挑戦する価値はあるんじゃないかと思いました」と腕をぶした。

さらに辻は「ベルトを取った先には『俺とシングルマッチで勝負しろ』と言いたいですね。それが今回、俺がベルトに挑戦する意義だし、もちろん試合でも棚橋弘至を狙っていきたい」と、王座戦後のプランを明かした。NEVER6人タッグのベルトが〝恩人〟との一騎打ちへの通行手形となるのか、注目だ。

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