人生が上向く【ボタニカル散歩】とは?ベストセラー作家・アズ直子さんおすすめ[後編]

発達障害がありながら、1億円企業の社長として、またベストセラー本の著者として活躍するアズ直子さん。そんなアズさんが「ぜひマチュア世代におすすめしたい」と言うのが、その時期最もパワーのある植物のご利益をいただく「ボタニカル散歩」。運動にも気分転換にもなって、一石三鳥の開運法です。

前編はこちら↓↓

PROFILE
アズ直子さん・一般社団法人暦文化研究会代表理事

あず・なおこ●1971年、東京都生まれ。一般社団法人暦文化研究会代表理事、経営者、著作家。
自身の体験を綴った『アスペルガーですが、妻で母で社長です。』(大和出版)がベストセラーに。
ハンディがあっても健康でいられ経済的にも自立できるライフスタイルを発信。全国で講演を行いテレビ出演なども。
暦と方位学を生活に生かすコミュニティ「こよみすと」主宰。

現代人の生活はバランスを崩しがち

風水や九星気学では、すべての物事をプラスとマイナスに分け、そのバランスをとることを重視する。なかでも私たちが注目したいのは、余暇における在宅時間(マイナス)と、外出時間(プラス)のバランスだ。

最近は動画サービスやSNSなど、室内での娯楽が増えたことで、余暇のほとんどを家で過ごすという人が多いはず。実は、このバランスの悪さが運気を下げる大きな原因にもなっている。

「自分には運がない、何をやってもうまくいかないと感じている人は、日常の行動パターンを振り返ってみてください。開運のためにいちばんよくないのは、『動かないこと』。運動しない、歩かない、外に出ない……はダメ。家にこもりきりの人は、屋外で得られるプラスのエネルギーが足りず、心身が弱っているのかもしれません」

まずは100メートルでもいいから外に出て!とアズさん。さらに、散歩した先で見つけた植物と触れ合えば、自然からご利益を得られ、引きこもり生活で不足しがちなプラスのエネルギーを充塡できる。これがアズさんのおすすめする「ボタニカル散歩」の極意だ。

植物に宿る強いエネルギーを味方につけよう

「万物に神が宿ると信じられてきた日本では、太古の昔から植物信仰があり、どんな植物にもご利益があります。特に、その季節に盛りを迎えた木や花にはパワーがいっぱい。散歩した先で気になる植物があったら、五感を研ぎ澄まし、色や形、香り、手触りなどをじっくりと味わってください。そうすることで、普段は気づかない季節の変化にも敏感になるはずです」

初夏の植物の花言葉・ご利益

初夏に盛りを迎える植物の花言葉・ご利益がこちら。花言葉には植物の性質や伝説が凝縮されており、得られるパワーのヒントに。
参考文献/東 昭史『バッチフラワー花と錬金術』、東 昭史『ファー・イースト・フラワーエッセンスガイドブック』

紫陽花(あじさい)
色が移り変わる花を「移り気」として敬遠されることもあるが、水を受け止める小さな器という名前もある。天からのお告げを受け止める花とも。
●花言葉/高慢・辛抱強い・冷淡・移り気
●ご利益/神様のお告げを受け取れる

キキョウ
陰陽師として有名な安倍晴明の神社のシンボル。花びらの頂点を結ぶと五芒星の形が現れ、強い邪気祓いの力を感じさせる。
●花言葉/変わらぬ愛・清楚・誠実・気品
●ご利益/強力な邪気祓い。神様のお告げを受け取れる

ザクロ
開花は初夏で実がなるのは秋。タロットカードの女帝のカードに描かれ、豊かさを象徴する。また子宝の神様・鬼子母神のシンボルにもなっている。
●花言葉/優美・子孫の守護・成熟した美しさ
●ご利益/物質的に豊かになれる。子宝に恵まれる

サツキ
渓流沿いや岩肌、ときには増水した川の水をかぶるような過酷な環境で生育する。流されないよう低姿勢で生きる姿に、厳しい環境に耐える力が感じられる。
●花言葉/節約・節制・貞淑
●ご利益/厳しい環境でも頑張れる堅実さがもたらされる

スイカズラ
甘い蜜を吸うことができる。強く甘い香りで邪気が祓われる。過去にすがる気持ちが落ち着き、今ここに集中できる。
●花言葉/愛の絆・献身的な愛・友愛
●ご利益/過去の栄光にすがる気持ちを鎮め集中力を高められる

ツユクサ
朝に咲き、日中はしぼむことから縁起が悪いとされることも。青い花は「マリアブルー」と呼ばれる聖母マリアの服の色を連想させ、慈愛や無償の愛を感じられる。
●花言葉/尊敬・心変わり
●ご利益/慈愛が深まり、無償の愛で人に尽くせる

夏みかん
花は甘い香り。皇太子時代の昭和天皇が栽培の盛んな萩で「この街は香水をまいているのか」と言われた。西洋では花嫁に幸せをもたらすとも。
●花言葉/清純・花嫁の喜び
●ご利益/邪気が祓われる、心が浄化される

菩提樹
お釈迦様がこの木の下で悟りを開いたといわれる。ギリシャ神話に登場する愛し合う老夫婦の物語から、夫婦愛に関わる花言葉をもつようになった。
●花言葉/夫婦愛・結婚
●ご利益/夫婦愛が深まる、夫婦が添い遂げられる

それぞれの季節の植物に触れることでパワーアップ

季節というと春夏秋冬の四季が思い浮かぶが、日本には一年を24節に分ける「二十四節気」という季節の暦があり、さらにそれを「初候・次候・末候」と分けていくと、「七十二候」という、一年で72もの季節がある暦が生まれる。

「一つの季節が約5日間。暦には、その短い間に最も強いエネルギーをもつ『旬のもの』が示されているので、散歩に出かけるときに見つけたい植物もわかります」

下に6月の旬の植物を紹介しているので参考にしてほしい。

6月の暦と旬の植物

七十二候の、約5日ずつに分けられた季節ごとに、旬の植物を紹介。人気の高い花木は、前のページで花言葉とご利益を紹介しているので参考に。旬の野菜や果物は食事で味わい、体の中にエネルギーを吸収しよう。

食やインテリアにも旬の植物を取り入れて

とはいえ、マチュア世代には、さまざまな事情でなかなか外に出られない人も少なくない。そういう人は、家の中に飾る切り花や鉢植えなどで旬を取り入れよう。

「外に出て植物に触れることが一番の開運行動ですが、その季節に最もパワーのある植物を部屋に飾ることで、自然界のエネルギーを取り込むこともできます。食材についても、旬のものを選んで食べることは開運につながるので意識して」

ちなみに、窓を開けて換気するのも同じ効果が。外の空気を取り入れることで、屋内に満ちているマイナスのエネルギーとのバランスが取れるのだという。夏や冬は特に窓を閉め切ったままにしがちだが、ぜひ意識してこまめに換気をするようにしよう。

「ボタニカル散歩や、旬の植物・食材に触れることは、楽しく運気を上げられる方法なので、ぜひ皆さんに試していただきたいですね。続けているうちに心と体が変わっていき、きっと何歳からでも人生をボトムアップできるはずです」

※この記事は「ゆうゆう」2024年7月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

取材・文/後藤由里子


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