コンビナートの事故事例公開 設備劣化・確認不足が発生原因に 消防庁

総務省消防庁は5月27日、令和5年中に石油コンビナートなどの特別防災区域内にある特定事業所で発生した事故の概要をまとめた。地震を除いた一般事故は395件(前年比+46件)で、死傷者が発生した事故は21件となっている。火災・爆発による死亡者は2人で、鉄鋼業で30トン天井クレーンの通常運転中に運転室の電気配線から出火して1人が死亡したほか、合成石英開発設備では滞留していた水素に何らかの火源が着火して爆発した事故で1人が死亡した。そのほか、化学工業、ガス業などで、漏洩した水素への着火による爆発、ポンプの破裂などがあり、全体で25人が負傷している。事故の発生要因をみると、物的要因では「設備の腐食疲労等劣化」が145件で最も多く、人的要因では「操作確認不十分」が43件と目立った。

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