県高校総体 バレーボール男子 3年ぶりに王者奪還に成功した大分工業 【大分県】

大分県高校総体バレーボール競技

6月3日 サイクルショップコダマ大洲アリーナ

男子決勝リーグ最終戦

大分工業2(23-25、25-22、25-22)1大分南

決勝リーグ最終戦の舞台に上がったのは昨年の県高校総体以降、県内無敗を続ける大分南と王者奪還を目指す大分工業。互いに2勝し、勝てば優勝という緊迫した一戦はフルセットの末、大分工業が大分南を下し、3年ぶり28回目の優勝を果たした。

試合は第1セットから手に汗握る大接戦となった。高さ、攻撃力で勝る大分南に対し、大分工業は粘り強いレシーブで応戦。高い打点から次々と打ち込まれるスパイクを拾い、つなぎ、エースの藤野功季(3年)らスパイカー陣が得点を決める。派手さはないが、沈着冷静、真面目さが特徴の大分工業らしい堅実なプレーで互角の戦いを見せた。1セット目は僅差で落としたが、第2セットで取り返し、勝敗の行方は第3セットにもつれ込んだ。

命運をかけて臨んだ第3セット。前半は大分南のペースにのまれ、追う展開となったが焦りはなかった。選手たちはキャプテンの遠島飛童(同)を中心に「自信を持とう。いつも通りのプレーをすれば大丈夫」と声を掛け合い、江崎裕之監督は「20点を過ぎたら必ず追いつく。それまで練習してきたことをきちんとやろう」と背中を押した。ゲームが大きく動いたのは終盤。大分南の乱れを突いて4点連取すると、そのまま一気に勝負を決めた。

粘り強いレシーブで勝利を呼び込んだ

勝利の瞬間、雄たけびを上げてコートに倒れ込んだ選手たち。1年間2番手に甘んじてきた悔しさがあるからこそ喜びも大きかった。試合後、江崎監督は「どんな状況でも腐らず、おごらず、バレーに向き合ってきた。そんな真面目さ、粘りの勝利」と選手たちをたたえ、「とにかくうれしかった」と珍しく自身の感想を添えた。寡黙な監督の一言には、決して平坦ではなかった1年分の思いがにじんでいた。

全国高校総体での目標は一戦一戦を堅実に戦うこと。遠島は「自分たちの代で全国に出るのは初めて。大分工業の粘りのバレーを見せたい」、藤野は「自分たちは先生や保護者などたくさんの人に支えられて強くなれた。その恩を返したい」と決意を語り、全国での飛躍を誓った。

3年ぶりの優勝となった大分工業

(甲斐理恵)

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