水原一平氏、“短パン”「ウーバー配達員に転身」の背景&時給事情と待ち受ける“大きな落とし穴”

大谷翔平選手、水原一平氏 ※画像はドジャースの公式X(ツイッター)『@Dodgers』より

かつては、スーツ姿で流暢な英語を会見で披露したかと思えば、試合中のベンチで大谷翔平選手(29)と大はしゃぎ。そんな姿がたびたび報じられ、日本中の野球ファンから愛を込めて“一平ちゃん”と呼ばれてきた水原一平氏(39)。

大谷選手からの厚い信頼を利用して、巨額のカネを盗っていたことが明らかになり、罪に問われているそんな元名通訳が、ひっそりと人目を避けるような格好でロサンゼルスの街を徘徊する様子が報じられたのは6月6日(日本時間7日)のことである。

「アメリカの日刊紙・ニューヨークポストが水原氏の近影を撮影したとして、“ウーバーイーツ配達員へ転身”のタイトルとともに報じたのです。記事内の水原氏はパーカーにハーフパンツというラフな服装。ハーフパンツは大谷選手が広告塔を務めるニューバランス社製の商品でしたね」(夕刊紙記者)

MLB史上最高額となる10年総額7億ドル(日本円で約1015億円)を受け取る大谷選手。そんな大谷選手を公私ともに支えていたことから、年俸2000万円超となる破格の高待遇で通訳を務めていたとも一部では報じられていた水原氏。しかし、大谷選手の口座から自身がギャンブルで作った負債を穴埋めするためにと、1700万ドル(日本円で約26億5200万円)もの大金を横領していたことが今年3月に報じられるや、その職を失ったわけである。

「詐欺容疑などで起訴されている水原氏は、保釈条件としてカジノ施設への立ち入り禁止や、大谷選手への接触禁止、就労の継続などが条件として提示されました。就労の継続は“逃亡の恐れの少ない仕事”に限られます」(前同)

保釈条件に就労の継続を提示された水原氏が、ウーバーイーツ配達員へと“転身”した裏には、どのような事情があるのだろうか。弊サイトは、ロサンゼルスで外食ビジネスを立ち上げた経験もある、民間企業の海外事業展開コンサルティングを務める株式会社J―seeds北米担当・前田健二氏に話を聞いた。

「キャッシュに相当、困っているんでしょうね。ウーバーイーツの配達員は週給制ですので、毎週お給料が振り込まれる。アメリカ社会で就職しようと思えば、職歴や犯歴を調べるバックグラウンドチェックが相当厳しい。当然、現在、詐欺罪で起訴されている水原氏が職に就くための面接を通過することはほぼ不可能です。手っ取り早くおカネが稼げて、身分照会もない仕事を探している中で、選択肢にあがったのかもしれません」(前田氏)

■待ち受ける大きな落とし穴

日本でも報じられると大騒動になった水原氏の事件。苦境に陥っている水原氏だが、ウーバーイーツ配達員として得られる週の稼ぎはどれくらいになるのだろうか。

「ウーバーイーツ配達員の時給はエリアや配達距離、注文金額などで変わるのですが、水原氏が働くロサンゼルス周辺では平均して時給20ドル(日本円で約3100円)ほどですね。その他に配達先からチップがもらえる場合があります」(前出のJ―seeds北米担当・前田氏)

仮に水原氏が週に5日、8時間ウーバーイーツ配達員として働いたとして得られる給料は、週800ドル(日本円で約12万4000円)ほど。月給では50万円ほどとなる計算だ。1年間働けば年収はおよそ600万円。通訳時の収入の3分の1の金額にまで年収は激減するわけだが、ウーバーイーツ配達員としてロサンゼルスで働く上で、さらに大きな落とし穴があるという。

「土地が広いですから、基本的には車移動。ウーバーイーツの配達員として働くためのガソリン代や車両の維持費、保健代はすべて自費です。1人分の注文を運ぶとなれば、配達距離次第では時給の半分ほどがガソリン代になるということもあるでしょう」(前同)

今、おカネを稼ぐことの大変さが最も骨身に染みているのは、水原氏に他ならないのかもしれない。

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