京都・伊根の風景、音や朗読で表現 京都精華大学の教授が音楽会、丹鉄のメロディ

即興や丹後にまつわる楽曲を披露する小松さん(伊根町日出・町コミュニティセンターほっと館)

 環境音楽家としても活躍する京都精華大の小松正史教授のピアノ音楽会が18日、京都府伊根町日出の町コミュニティセンターほっと館で開かれた。小松さんは約30年前に収録した伊根浦の音風景を交えた朗読や、丹後にちなんだ楽曲を披露し、訪れた約60人が聴き入った。

 宮津市出身の小松さんは、1995年に町商工会と伊根浦の音を集めたCDを制作して以降、町内でコンサートを開いてきた。

 音楽会は伊根浦舟屋群等保存会が主催。小松さんは、当時町内で録音した波の音や漁船のエンジン音を流しながら「伊根浦の朝は小型漁船のエンジン音で始まる」など音風景を描写する朗読を披露した。その上で「音は地域にあるものを引き寄せる」と話し、目では見えず音から感じられる地域の魅力があると伝えた。

 ピアノ演奏では、午前中に町内を散策して感じたことを即興で表現したほか、京都丹後鉄道に楽曲提供した丹鉄メロディから「海鉄」などを披露した。

 同町の参加者(65)は「生活と音楽を結びつけたお話で興味深かった」と笑顔を見せた。

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