かわいらしい「ネコトラ」毛並みまで鮮明に 京都・八幡で絵画展

藤井湧泉さんの作品が並ぶ会場(八幡市八幡・松花堂美術館)

 中国出身の画家・藤井湧泉さん(60)の絵画展が、京都府八幡市八幡の松花堂美術館で開かれている。かわいらしい「ネコトラ」の水墨画など約50点が並び、墨の濃淡と余白が織りなす美が、訪れた人の目を引いている。

 藤井さんは中国江蘇省出身で向日市在住。28歳で初来日し、独自の感性で水墨画を追求する。湧泉の雅号は、哲学者の故・梅原猛さんが名付けたという。

 会場には、細やかな筆致で表現した牡丹(ぼたん)やリスの水墨画、赤色などの背景に女性がたたずむ幻想的な屏風(びょうぶ)絵が並ぶ。猫のような虎「ネコトラ」は毛並みまで丁寧に描いており、カラフルなアクリル画のものもある。

 初日は藤井さんのトークもあった。ネコトラは竜虎の絵を描いた際に生まれたとし「竜は想像の生き物なのに虎を写実で描いても面白くない。(動きのある竜と対比で)じっと石のようにし、遊び心もいれた」と語った。

 6月9日まで。有料。

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