県内賃上げ1万4617円で過去最高 連合長崎集計 2024年春闘

連合長崎賃上げ集計推移

 連合長崎は7日、2024年春闘の賃上げ最終集計を発表した。定期昇給やベースアップ(ベア)を含む平均賃上げ額は1万4617円(前年比4014円増)で過去最高となった。平均賃上げ率は5.06%(同1.4ポイント増)だった。
 連合長崎は「全国的な賃上げの流れが県内にも波及した」とみている。
 賃金改善を要求した140組合のうち約9割の128組合が妥結。このうち県内に本社を置く地場組合は95組合中83組合が妥結し、平均賃上げ額は過去最高の1万2282円(同5468円増)。平均賃上げ率は5.18%(同2.0ポイント増)だった。
 地場組合の規模別にみると、組合員300人以上の6組合の平均賃上げ額は1万4742円(賃上げ率6.29%)。一方、300人未満の77組合は同1万610円(同4.44%)となり、格差が生じた。
 連合長崎は「企業の規模が小さいほど原材料費、エネルギー費、労務費などの適正な価格転嫁が進んでいない」と分析している。
 「2024年問題」の影響や人材確保に悩んでいる交通・運輸は賃上げが低調だった。連合長崎は、公共交通や物流を支える労働者の賃上げが社会全体の大きな課題だと指摘。「引き続き国や行政へ働きかけていく」としている。
 パートタイマーは県内全体で14組合が妥結し、平均賃上げ額は時給61円(前年比2円減)。このうち地場5組合の平均賃上げ額は時給53円(同21円増)だった。

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