松浦鉄道(MR)が運賃19%値上げ 10月改定予定、収益悪化で 長崎

 松浦鉄道(MR、長崎県佐世保市)は5日、運賃を10月1日から平均19%値上げする運賃改定を予定していると発表した。国土交通省九州運輸局に5月29日付で旅客運賃上限変更の認可を申請。認可されれば、2016年以来の改定となる。
 MRによると、沿線地域の人口減少や新型コロナウイルス感染症の影響などによる収益状況の悪化などが要因。加えて燃料軽油価格の高騰、最低賃金の引き上げ、運転士の人材確保における人件費増などが背景にあり「厳しい状況を打開し、公共交通として安全・安心のサービスを持続的に提供するには、収支の改善が不可欠」としている。
 主要区間の値上げ料金は、普通大人運賃の佐世保-佐々間が650円(現行550円)、佐世保-大学間が460円(同390円)の予定。定期券は通勤1カ月の佐世保-佐々間が2万5740円(同2万1630円)、佐世保-大学間が1万7860円(同1万5010円)、通学1カ月の佐世保-佐々間が1万9350円(同1万6060円)、佐世保-大学間が1万4190円(同1万1980円)など。1日乗車券の運賃は据え置く。
 値上げにより、25年度からの3年間で、約3億7300万円の増収を見込んでいる。
 九州運輸局は同社の上限変更に関するパブリックコメント(意見公募)を19日まで実施。インターネットによる電子政府の総合窓口で受け付けている。

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