前刑事部長「静観」指示の記載 枕崎署員の盗撮事件、漏えい文書

鹿児島県警本部

 国家公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕された前鹿児島県警生活安全部長本田尚志容疑者(60)が、札幌市のライターに郵送したとされる情報漏えいの疑いがある文書に、前県警刑事部長が枕崎署員の盗撮事件の捜査に関し「静観」するよう指示したという趣旨の記載があることが8日、関係者への取材で分かった。「闇をあばいてください」とも書かれていた。

 県警は8日夜、枕崎署員の盗撮事件の捜査は生安部門が担っていたと説明。前刑事部長が「在任中、枕崎署の盗撮事案は全く知らなかった。報道されている事件の捜査指揮に携わったことはなく、野川(明輝)本部長からも事件に関して指示を受けたことはない。静観しろなどと指示したこともない」と話していると明らかにした。

 本田容疑者は文書に自分の名前は記さず、県警の不祥事の問い合わせ先として、前刑事部長の名前や電話番号などを載せていた。本田容疑者は文書の郵送を認めており、県警は前刑事部長を陥れる意図があった可能性も含め、動機を慎重に捜査している。

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