キャンプブーム沈静化、新たなニーズ掘り起こし…キャンプ場で「結婚式」を

この春、鳥取県・大山のふもとにあるキャンプ場で結婚式が行われました。
一時は過熱気味ともなったキャンプブームも一段落、ゆったりとしたロケーションを活用した新たなニーズの掘り起こしが始まっています。

4月、新緑と青空のもとで行われた結婚式。
中国地方最高峰、雄大な大山を背景に、集まった人たちが、新郎新婦2人の人生の新たな門出を祝います。

小林健和 記者
「雄大な大山の景色を味わいながら楽しむことができる結婚式。実は行われていたのは結婚式場ではなく、キャンプ場なんです」

去年、鳥取県伯耆町にオープンしたキャンプ場「大山リゾート 沢田ベース」。
結婚式はこのキャンプ場を使って行われていました。

大山リゾート沢田ベース 森脇 愛 サブリーダー
「新婦様の方が、ドラマで外でウエディングされているのを見られて、依頼を受けて、ウエディングプランナーの方からご提案いただいたので開催することになりました」
「今回初めて結婚式させてもらってとてもいい結婚式ができたなと思っています」

キャンプ場ならではの広いスペースを活用して行われた結婚式。
施設の屋上展望デッキを使った披露宴は、新郎新婦も集まった人たちにも思い出深いものとなること間違いありません。

ところで、キャンプ場のこのような取り組みには、現在のキャンプ市場も背景となっているようです。

コロナ禍が明けるとアウトドアブームが落ちつき、新潟県のアウトドアメーカー
「スノーピーク」は、去年12月期連結決算の純利益が前期比99.9%減となったことが、大きなニュースとなりました。

また、アウトドア用品が中古市場に溢れるなど、アウトドアを取り巻く環境は、ここ数年目まぐるしく変化しています。
松江市内のリサイクルショップでは、キャンプ用品が買取で入ってはくるものの、逆に客の購入の頻度はコロナ禍と比べると減っているといいます。

創庫生活館春日店のスタッフ
「ベンチタイプのイスがちょっと入ってきたりはしています。キャンプの1人用のでかいイスとかそういうのも入っています」
「キャンプ(関係の商品)はそんなに目立っては動いていません」

過熱気味だったキャンプブームが落ち着き、キャンプ場もそのロケーションの魅力を多面的に活用していくことを模索しています。

こちらのキャンプ場では、夏休みや大型連休以外の時期に、結婚式などキャンプ以外の利用をとPRしています。

大山リゾート沢田ベース 森脇 愛 サブリーダー
「大山が一望できるのは沢田ベースの魅力だと思っています」
「こういったスタイルで、新しい結婚式のスタイルとして周知してもらって、皆さんにこの自然の中でしてもらえたらと思います」

人生の新たな門出。
これからのカップルにはアウトドアでの結婚式も、選択肢の一つになりそうです。

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