「アンビリーバブルの3乗みたいな事業」48億円の東京都プロジェクションマッピング事業を島根・丸山知事が批判「よくもまあそんなことを考え付く人間がいるもんだ」

島根県の丸山達也知事は4日の定例会見で、来月7日投開票の東京都知事選に触れ、その中で、都が計画している東京都庁のプロジェクションマッピングについて、「48億5000万円かけられるという、よくもまあそんなことを考え付く人間がいるもんだ」「アンビリーバブルの3乗みたいな事業」だと批判しました。

会見で丸山達也知事は来月7日投開票の東京都知事選に触れ、東京一極集中の是正を掲げる候補者について、「東京都政としてそれを打ち出して行くっていうのは、なかなか現実問題、自分たちの勢いを削ぐみたいなことという風に一般的には取られるので、東京都の中だけで議論して行ってそういうことになるかは、なかなか難しい感じがするので、大きな難しい争点になりにくいんじゃないか」との見方を示しました。

知事は、都心の超過密で恵まれた人でないと住宅も持てない状況について「過密解消して行くんだ、生活環境を良くして行くっていう訴えはあり得ると思いますけども、(都知事選の)争点、公約としては難しいものがあるんじゃないか。大都市部の過密を緩和し地方の過疎を緩和する一挙両得の政策として、政府として取り組む、国の政策として取り組むっていうことが政策論としてはしっくりくる」と国策として取り組むべきものと指摘。都民に理解されることは相当難しいテーマではないかとの見方を示しました。

また、都が計画している東京都庁のプロジェクションマッピングについては、次のように疑問視しました。

島根県 丸山達也 知事
「48億5000万円かけられるという、その話を聞いた時には、よくもまあそんなことを考え付く人間がいるもんだと思いましたし、考え付くまでは良いかも知れないけどそれを実現して都議会に提案するっていうのもすごいと思いますし、都議会も認めてしまうっていう所が、何か3重に、アンビリーバブルの3乗みたいな事業だなと思うわけですよ。

しかも聞いてみると実行委員会形式で実施しているので都の直接支出ではなくて、受注された事業者は東京都からは指名停止を受けている電通の子会社。何で50億かかるかっていうこともすごいし、100%子会社だから実行委員会に任せてるからっていって、100%子会社とはいえですよ、上場企業ですからおそらく100%子会社みたいので、いわゆる上場企業としては100%電通の連結決算に計上されるわけですよね。利益は全て株主が取っちゃうわけだから。電通に一存と同じですわね」

その上で次のように述べ、都の支出に目を向ける機会になるとの見方を示しました。

島根県 丸山達也 知事
「そんなことが、50億っていうお金がそういう風に使われるっていうのが、お金持ち、財政力があって日本で一番栄えてる所だから別に良いんじゃないの?という考え方に基づいて今の都政ってのはやられてるんでしょうけど、50億あればもっと生活の身近な所に手を差し伸べてくれないかという議論だってあるでしょう。

こういうお金の使い方が50億されてるってことは、ほかに似たような使い方がもっとあるんじゃないのか?ここだけなのか。そういうことよりも他にやって欲しいことが都民の皆さんにはあるんじゃないか。都の財源の使い方としてそういうお金の使い方を続けるのか、もっと身近な所に財源を充てて行くのかっていうことを議論してもらう良い機会じゃないかと」

そして知事は、「私、東京都の職員だったら課長も務まらないな、課長務まらない絶対。こんなのやっちゃダメでしょと言ってすぐ飛ばされちゃうよ。島根県知事は何とかやれるけど東京都の課長は出来ないな、多分。」と皮肉りました。

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