ロバーツ監督の“マシンガン継投”はどこへ… 山本由伸が得た信頼、抱擁も「強い」

ヤンキース戦に先発したドジャース・山本由伸【写真:ロイター】

ポストシーズンを思わせる敵地・ヤンキース戦で7回106球を投げて無失点

■ドジャース 2ー1 ヤンキース(日本時間8日・ニューヨーク)

デーブ・ロバーツ監督の高い信頼がにじみ出た。両軍無得点の7回、ドジャース・山本由伸投手は球数が100球を超えてもマウンドに。1死から105球目が外れてトーレスを四球で歩かせたが、続くルメイヒューを初球の94.6マイル(約152.2キロ)で二ゴロ併殺打に仕留めた。7回106球を投げて、7奪三振2安打無失点。ベンチに戻ると、ロバーツ監督から満面の笑みで抱きつかれた。「強いなと思いました」。率直すぎる感想で報道陣を笑わせた。

開幕から9登板目の5月13日(日本時間14日)の敵地・ジャイアンツ戦まで100球を超えた試合は1度もなし。それがここ4試合はいずれも100球を超える球数を投げ、今季最多の球数を更新し続けている。ロバーツ監督といえば、小刻みに投手を注ぎ込む“マシンガン継投”がお馴染みで、2018年ワールドシリーズでは当時のトランプ大統領から批判されたこともある。そんな指揮官の姿は、“どこへやら”である。

「ヨシはブルペンやチームの勝利を考えて長いイニングを投げたがっていることは分かっていた。ブルペンも互いに協力し合いながら、抑えてくれた。大きかった」。2安打無失点に抑えながらも5回途中84球で降板したヤンキース先発ポティートとは対象的。昨オフに投手史上最高額となる12年総額3億2500万円(約509億円)で加入。元々の期待値は大きいとはいえ、指揮官の信頼度は、もう主戦投手クラスと言っていい。

ヤンキースのチーム322得点はメジャートップ。しかも今季最多4万8048人が集まり、ポストシーズンを思わせる環境下だったからこそ、より価値がある。7勝目こそつかめなかったが、「打線がいいのは試合前から分かっていましたし、落ち着いて投げることに集中しました。今日はいいパフォーマンスが出せたので、これからいいところをキープして投げていけたらと思います」と、自信をつかんだ様子。頼もしい投球はこれからも見られそうだ。(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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