前世(ぜんせ)

「前世」の意味

「前世」(ぜんせ)とは、現在の自分が生まれる前の人生のこと。人間の魂は死んだあとも残り、繰り返し生まれ変わることができるという思想に基づいた考えのひとつ。

ひるがえって、アイドルが現在の所属グループに加入する前に所属していたグループのことを指す。

「前世」の由来・語源

グループで活動するのが基本となったアイドル業界。デビュー時のグループで卒業まで活動できれば幸せだが、この厳しい世の中、なかなかそうはいかない。人気の低迷、経営陣の不始末、メンバーの人間関係問題、卒業、電撃恋愛スキャンダルなどなど……様々な理由でアイドルグループは結成されては解散していく。

なかには、やむを得ない事情でグループは解散するが、まだ活動を続けたいと希望するアイドルも存在する。彼らが別のグループで、新たなアイドルロードを歩むことになることを「転生」、そしてさらに以前所属していたグループのことを「前世」と呼ぶことになった。

▼前世もちアイドルの例
・≒JOYの小澤愛実
元「ラストアイドル」のメンバー。

・元ZOCの西井万理那、巫まろ
西井は「生ハムと焼きうどん」のメンバー、巫(福田花音)は「アンジュルム」のメンバー。

・ASPのチッチチチーチーチー、ユメカ・ナウカナ?
チッチ(上島楓)は元「HKT48」のメンバー、ユメカ(野本ゆめか)元「アイドルネッサンス」のメンバー。

前世もちアイドルの新加入は、運営会社にいくつかのメリットがある。

・すでにファンが存在する
解散までの数年間、アイドルとして活動していた彼女たちは、「前世」で一定数のファンを獲得している。グループ単位でしか応援しない、箱推し主義でない限り、彼らは移籍先での活動も応援してくれる。

・教育コストが少なくてすむ
すでにある程度活動経験があるため、業界のノウハウを一から教育する必要はない。ダンスや歌の実力だけでなく、ファンサの仕方など客あしらいの仕方まで身に着けている場合があり、新人の牽引役が期待できる。

上記のように「即戦力」として期待できる前世もちメンバーだが、もちろんデメリットも併せ持っている。

・前世の評判が持ち込まれる
解散理由が、スキャンダル等の不祥事だった場合、本人にかかわりがなくても事件のイメージが現世までついて回ることがある。この「前世」ごとアイドルを受け入れるかどうか、運営会社には慎重な判断が要求される。

さまざまな理由で転生するアイドルだが、前世の経験を生かしたさらなる活躍に期待せずにはいられない。

「前世」の活用例

A「おっしゃあ、推しがセンターとった!」
B「グループ解散したあとも移籍先まで追いかけて推してた甲斐があったね」
A「前世でやっとセンターに立った、ってとこで運営会社倒産しちゃってたんだよね。現世でちゃんと活躍できててうれしい……尊い…」

転生(てんせい)

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